ビジネスコミュニケーションに必要な力とは?実際に使えるテクニックをご紹介

「ビジネスコミュニケーション」と聞いて思わず身構えてしまうビジネスパーソンは少なくないでしょう。

ビジネスコミュニケーションと一口に言っても、

  • オフィスにおける上司部下間、同僚間のコミュニケーション
  • 業務を遂行するために部署・部門間や取引先、顧客などバリューチェンの中で行われる双方向コミュニケーション
  • 企業のトップや経営企画、人事、広報部門などが社員に対して1対多の関係で行うコミュニケーション
  • PR、IR、ブランディングやマーケティングといった社外向けのコミュニケーション

など、非常に多くの種類があります。

その中でも、働く人が日常的に直面しているのがオフィスの中でのコミュニケーションです。しかし、職場の中ではあまりルールやマナーを意識せず、自然にコミュニケーションをとっているケースも多いのではないでしょうか。

組織内の人材が多様化し、これまで以上にイノベーションや生産性向上が求められる企業活動において、ビジネスコミュニケーションの重要性はますます増しています。そして、オフィスにおいてスムーズなコミュニケーションを実践するためには、押さえておくべきルールやテクニックがあるのです。

この記事では、オフィスにおけるビジネスコミュニケーションについて、実際に必要となるシーンやコミュニケーションに用いる媒体、企業活動におけるそれぞれの重要性、実践の難しさを中心に解説します。あわせてビジネスコミュニケーションを向上させる3つの力やちょっとしたテクニックなどオフィスで役立つ情報を紹介します。

ビジネスコミュニケーションとは?

ビジネスコミュニケーションは、企業活動やビジネスの現場で業務を行う際に欠かせないものです。オフィス内でのコミュニケーションのみに限った場合でも、コミュニケーションする相手やコミュニケーションに用いる媒体は多種多様で、それぞれに異なる特性を持っているため、働く人にはビジネスコミュニケーションのリテラシーが必要とされます。

HR総研の調査では、9割の企業が「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と答えており、なおかつ8割が「現状に課題がある」と感じています。さらに、特にコミュニケーション不足が影響する場面について7割が「部門・事業間の連携」を挙げており、組織間の壁が厚くなりがちな日本企業の一面を映し出しています。

ビジネスコミュニケーション=仕事の根幹

ここで、ビジネスコミュニケーションの本質について考えてみましょう。ビジネスコミュニケーションは、日常における家庭内や友人間におけるコミュニケーションとは違う、際立った特徴を備えています。

それは、ゴールです。ビジネスコミュニケーションはたえずゴールを意識し、ゴールに最も近い効率的な方法を選びます。ゴールとは、相手に何らかのアクションをとってもらうことです。たとえば、決裁者に提案を承認してもらうのもゴールの1つです。プロジェクトで重要な情報を共有する、あるいはキーマンから情報を引き出すのもゴールです。

たとえ職場の上司や同僚とのコミュニケーションであっても、ゴールのない居酒屋などでの会話は、ビジネスコミュニケーションとは呼びません。

組織の中の人員がゴールを求めてビジネスコミュニケーションを繰り返すことが、企業活動を形成しているとも言えます。組織全体でスキルが磨かれれば、生産性の向上・イノベーション・従業員満足度アップ・意思決定の質やスピード向上にもつながります。だからこそ、論理的思考力、巻き込み力やネゴシエーションスキルといったビジネスコミュニケーションスキルの向上は企業にとって重要な課題なのです。

ビジネスコミュニケーションの難しさ

ビジネスコミュニケーションの基本は、「ロジカル(論理的)であること」です。一般的な日本のビジネスパーソンは、この「ロジカルであること」に苦手意識があります。それは、学校や職場、地域社会、家庭といったあらゆる場面で、ずばり結論に切り込んだり明確に理由や根拠を述べたりすることをせずに、経緯や事情を説明しつつ察してもらうといったコミュニケーションに親しんできたからです。

文化的な同質性が高く、「なぜその人がそのような発言・行動をするのか」といった背景や文脈(コンテクスト)を誰もが想像しやすい社会においては、「察する」「一を聞いて十を知る」「みなまで言わせるな」といったハイコンテクストなコミュニケーションが通用します。ビジネスの中心が国内市場で、社員は新卒一括採用で入社した日本人ばかり、市場環境も大きな変化なしといった時代には、オフィスでのコミュニケーションもそれで済んだでしょう。

ところが日本企業は今やグローバル競争の渦に巻き込まれ、市場環境も日々変化しています。社員も転職組があたりまえになり、海外出身の社員も一緒に働くようになってきました。多くの企業が生き残りをかけて環境変化への対応に向けた変革に取り組む中、私たち日本企業も「相手が自分とは同じ文脈を理解していない」という前提に基づく、ローコンテキストでロジカルなコミュニケーションスタイルへと変化させていなかければグローバル市場で戦うことはできません。しかし、多くの日本人はそういったコミュニケーションスタイルに慣れていないため、難しさを感じてしまうのです。

 

ビジネスコミュニケーションに必要な3つの力

ビジネスコミュニケーションに必要な力には、さまざま種類のものがありますが、ここでは主な3つに絞って紹介します。

伝える力

まずは、伝える力です。伝えたい内容を明確にし、筋道立ててロジカルに話すと同時に、相手の目線や立場に立った言葉を選ぶことも重要です。

聞く力

聞く力は、「傾聴力」などとも呼ばれます。相手から情報を引き出しやすくなるだけでなく、相互の意思疎通が深まることで、こちらからの話も伝わりやすくなります。

前提を揃える力

そして最も大切なのが、「前提を揃える力」です。仲の良い友人や夫婦なら、毎回前提を揃えなくても「この前のあれどうなった?」「ああ、あれね」といった具合で大抵の話は伝わります。気心の知れた「話さないでもわかる」間柄なら、いちいち前提について話さず本題に入った方が話が早いでしょう。

一方、ビジネスの世界においては、前提をまずそろえないとお互いの話が食い違い、効率的にゴールへたどりつくことができなくなります。

前提を揃えるとは、コミュニケーションの主題・目的・背景などを、それまでの文脈に対する相手の理解度に合わせて話すことです。

たとえば新任の課長に対して業務課題の進捗報告をするときには、過去にどんなことがあったか、懸念されることはなにかなどを、冒頭に簡潔に説明する必要があります。過去に報告したことを相手が忘れているような時も、「おさらい」することで話がスムーズに進む場合もあります。

また、打合せの相手が他業界の人の場合、業界用語を使うのは避け、「誰にでもわかる」レベルで話をするなど、一定の配慮や工夫が求められます。

ビジネスコミュニケーションに役立つテクニック

この章では、ビジネスコミュニケーション発揮を支援するテクニックをいくつか紹介します。

主張と根拠を整理する

主張と根拠を整理する手法としては、「ピラミッドストラクチャ」が良く使われます。ピラミッドストラクチャでは、まず相手に伝えたい主張を頂点に置き、その下に3つに整理した根拠を置きます。つまり話を構造化するのです。

相手のタイプに合わせて伝える順番を変える

欧米式のビジネスコミュニケーションでは、まず結論から入るのがセオリーです。ただし日本では状況や相手に応じて柔軟に対応したほうが良いでしょう。同じ話題でも、相手によって話す順番を変えた方が受け入れられやすい場合もあります。

たとえを使ってイメージを共有する

「東京ドーム〇〇個分」といったたとえは、みなさんもよく聞いたことがあるでしょう。たとえ話を上手に使えば、初めて聞く話も分かりやすく伝わります。ただし、上手に使いこなすには、慣れとコツが欠かせません。日頃からニュース記事などで時事情報にアンテナを巡らせ、そこで用いられているたとえ話をチェックしたり、自分でもたとえ話を考えてみる癖をつけておきましょう。

パロット、パラフレーズ

パロットとは日本語でいうと「オウム返し」。「昨日商談で品川に行ったんですよ」「そうなんですか、品川に」といった具体に、相手が話した言葉をそのまま使って言葉を返す話法です。さらに相手の意図を整理してまとめ、要約したり、別の言葉で言い換えたりするのがパラフレーズです。

例)
「Aさんは最近別の案件が立て込んでいるし、Bさんは一度先方の担当者とトラブルになっている。君なら他のプロジェクトメンバーの中で最も経験値が高いし、適任だと思うんだ」

「つまり、Aさんはこのプロジェクトの責任者ではあるが実際の指揮監督は難しい状況。今後は私が実質のリーダーの役割を担うという理解で合っていますか?」

パロットとパラフレーズは、相手に対して「ちゃんと話を聞いてくれている」という安心感を与えるとともに、話の前提を揃えるのにも効果を発揮します。

まとめ

ビジネスコミュニケーションに必要な力、実際に使えるテクニックについてご理解いただけたでしょうか。せっかく覚えたノウハウですから、今度はオフィスで実際に使っていきましょう。

電話での問い合わせに対する形式的な対応など、最初は小さなことからはじめ、だんだんとレベルを上げて会議でのプレゼンなどに活用してみてはいかがでしょうか。まずは「習うより慣れよ」です、はじめの一歩を踏み出しましょう。

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