心理的安全性​​とは?定義や意味と誤解、本質的​​に高い職場状態や高める方法について解説!

目次

近年、企業・組織で注目されている概念に心理的安全性(psychological safety)があります。製造業からサービス業、そして、第4次産業である知識集約型の産業に変化する中で、資本の中心は設備やファシリティなどの物的資本から人的資本のに時代に突入しています。同じスキルや同じ価値観を大量に提供する時代から、複数の専門性と価値観を持つ多様な人財を通して、新しいアイデアを個別に出すことで価値を創造することが求められているのです。つまり、私たち人間や人間同士が生み出す活動が価値創造の中心となります。この価値創造の場であるチームや職場において、人間同士の心理や感情が安定しないければ創造的な活動はできないため、心理的安全性は注目されています。平たく言えば現代の職場環境において人間関係をいかに良好にできるかが課題となっています。

しかし、この人間関係の問題は過去から依然として存在しており、なぜ今更「心理的安全性」という言葉を使って、殊更に強調する必要があるのでしょうか。

人間関係にかかわる心理的安全性とは一体どのような概念で、チーム・組織などの集団で取り入れるにはどのようにしたら良いのでしょうか。本記事では、心理的安全性の起源や高めることのメリット、心理的安全性が低い集団が抱く不安、心理的安全性を高める方法、そして、心理的安全性という言葉の誤解などについて詳細に迫っていきたいと思います。

心理的安全性とは

心理的安全性とは具体的にどのようなものなのでしょうか。ここでは、心理的安全性の成り立ちや意味について解説していきます。

心理的安全性は1対1から始まる

「心理的安全性」には起源・原型とも言える概念が存在します。それは、1950年代に心理学者で心理療法士のカール・ロジャースが提唱したものです。

カール・ロジャースは、心理的安全性がカウンセリングという1対1の場面における相手の心理や本音を傾聴するために必要な条件として提示しています。ここでは、人間の潜在能力を引き出すという目的において、心理的安全性が必要であり、聞き手の態度や姿勢も重要です。

つまり、心理的安全性とは1対1の状況においては、その重要性と関係性においてその効果は明確にされています。しかし、現在の心理的安全性は、1対1ではく職場やチームの小集団の中にある規範や風土にあります。1対1が複数になった時点で、複数の人間の感情や感覚が網の目様に絡み合うため、心理的安全性は高度に複雑になります。

心理的安全性は1対1から集団へ

1990年代に入ると、ハーバード大学のビジネススクールで教鞭を執る学者エイミー・C・エドモンドソンにより、いよいよ「心理的安全性」の概念が体系的な形となって登場しました。エドモンドソンは、複数の人間が存在する集団やチームが対象であるということを心理的安全性で提唱しました。そこには規範や空気、風土というモノが存在します。

エドモンドソンの心理的安全性を簡単に説明すると、「個人の言動に対し、周囲がその発言を拒絶したり、非協力的な態度を示したり、言動を罰したりしないことが確信できる状態」を指します。つまり、個人の言動によって人間関係が悪化することがない、といった安心感がチーム・組織内で共有されている状態のことです。

1990年代の心理的安全性について考える際には、米国と日本の産業構造の変化に注目する必要があります。1990年代にはインターネットバブルが始まり、その影響で米国では第4次産業革命が進行し、人的資本の重要性が増していきました。一方で、日本ではバブル経済が崩壊した時期でもありました。

「定性的な研究を通し、心理的安全性が機能することにより、身体的・認知的・感情的な自分自身を採用(受け入れる・許容する)し、または表現することが可能になる」とエドモンドソンは提唱しています。

心理的安全性は既に日本の製造現場にはある

90年代当時、人々は生産機械における安全性へ意識が向いていました。そのころ、社員が業務に対して抱く問題点や懸念点を自由に提案定義できるトヨタ生産方式(TPS)といったシステムが確立されており、その先進的な管理手法は、心理的安全性の概念と方向性が一致していました。製造現場レベルでも心理的安全性が必要とされていたことがわかります。
ここでは、既に存在していた心理的安全性や、安全性をどのように確保していたのかを説明していきます。

トヨタ生産方式(TPD)による心理的安全性

日本の生産現場でトヨタ生産方式(TPS)を取り入れた工場は、アンドン(電光表示盤)が重要な役割を果たしています。異常が発生した場合、アンドンは異常が発生した際に表示され、関係者は異常の発生をすぐに知ることができます。これにより、作業者は品質や安全を確保するために作業を止め、原因を調査し、再発を防止できます。

製造現場では物理的な工程が見えるため、問題や危険を察知しやすく、それを改善するための規範を共有しやすい環境が整っています。どこかの工程に異常があれば、異常を全工程に発信でき、全体はこれを認識し全ての作業を一旦止め原因を究明するという規範や風土があるということです。

つまり、アンドン(電光表示盤)が点滅すれば、社長でも現場のラインの社員を止めるという権限が委譲されているという安全への規範があるということです。

トヨタにおける安全性は異常な状態を、素早く炙り出して、それを全社員の目に晒し、そのことによって、異常状態から生じる損失や損害をできるだけ減らそうという考えに基づいています。異常状態は起きてほしくないものであり、起きた場合には、それが起きていないかのように振舞いたくなるのが人の性質です。異常があっても蓋をしたり、見て見ぬふりをしようとする気持ちがどうしても出てくるものなのです。
トヨタのアンドン方式は、隠したり見て見ぬふりをしたいという一般的な欲求を打ち砕き、悪いことが起きれば、すぐにそれを全ての社員へ知らせ、対処することができます。こういったシステムを無理やりつくることにより、将来の大きな損失の回避につながっています。さらに、異常なことや悪いことを告発することが出来るということが重要な点です。

リーダーからメンバーに至るまで、全体を可視化し見ることができ、そのうえで全員にその権限が移譲されています。このような透明性によって、安全が確保されるのです。

透明性を確保することで生じる不利益

透明性こそが心理的安全性の肝となっていますが、これは社内の人間関係を円滑をするものではありません。場合によっては、アンドンによる異常の告発は、ある社員にとっては、非常に不利益になるでしょう。そのような個人的な不利益があっても、全体のために告発できるということが、トヨタで行われている心理的安全性です。これは人間関係を守るための安全性ではなく、それどころか心理的安全性があることによって、人間関係が壊れることも、十分にあり得るのです。

オープンであること、隠す必要がないこと、一部社員に不利益であっても、それを告発できるといった心理的安全性です。この告発によって社員として立場が、揺るがないことが、鍵となります。

これからの産業構造における心理的安全性は、製造工程のようにプロセスが明確ではないものが増えてきています。人と人が議論しアイデアを生み出す場が主軸となる可能性もあります。今やビジネスの道具は生産機械からデジタルやAIに進化し、身体的な危険は低くなる一方で、議論やブレストによる葛藤という心理的な危険が向上しているのではないでしょうか。職場の人間関係やコミュニケーションにおける透明性を確保し、本音を率直に議論し主張できる規範を創り出すことは容易ではなく、マニュアルやガイドラインにも銘記することは不可能でしょう。

しかし、今後知的集約型のビジネスを主軸を置き、個々の多様性を活かし、創造的なアイデア出しから価値創造していくうえで「何が必要なのか」を考えるとき、方向性の一つとして「心理的安全性」は重要な要素となります。

心理的安全性が注目される背景

心理的安全性が注目される大きなきっかけとなったのが、2016年にGoogleが発表した「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」との研究結果です。
Googleは2012年ごろから人事関連の研究「プロジェクト・アリストテレス」をスタートしており、およそ4年もの歳月を費やして社内の数百にも及ぶチームを対象とした分析を実施、生産性の高いチームにはどのような特徴があるか調査しました。その結果、心理的安全性が機能しているチーム・組織は離職率が低く、社員同士でアイデアの共有・有効活用ができ、さらに収益性・生産性が高く、管理職・マネージャーなどから高い評価をより多く得ることができると結論付けています。それだけではなく、心理的安全性は、トヨタのアンドン方式と同じく、透明性が高いことが特徴的です。透明であるということは、社員誰でも同じ情報にアクセスでき、個人のプライバシーや技術的ノウハウを除くと、全ての情報を社員が共有できることを意味ます。

テクノロジー界隈で世界的な影響力を持つGAFAMの一角、Googleが発表した反響は凄まじく、またたくまに世界のビジネスの現場に心理的安全性の概念が広まることとなります。「ロジャースの3原則」や、精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した「愛着理論」など、心理的安全性に通ずる理論は古くから存在しましたが、ビジネスの領域で普遍的に使える概念として広く用いられた概念は、Googleによって実証検証された心理的安全性が初といえるでしょう。

重要なことは、学者や理論的な枠組みからではなく、第4次産業におけるリーダーカンパニーのGoogleが実施した実証検証であったということです。心理的安全性の重要性がパフォーマンスと相関があるという実証は、チームや職場で働く多くビジネスパーソンの実感値としても共感と腹落ちを生み出しました。

しかし、いまだ「心理的安全性」の重要性は理解しつつも、チームや職場などの心理的安全性が低い要因は諸説あります。また、心理的に安全という状態はどのような状況なのか、もしくは何から安全を守っているのか、ということに対して議論の途中段階と言えます。

心理的安全性は何から安全を守っているのか?

現代のビジネスは第3次産業から第4次産業に移る中で、人的資本が重要視されるようになったため、人間関係やダイバシティ&インクルージョンなどが職場の主な問題になっています。人間関係や多様性にまつわる問題は、業務上のトラブル、組織としての仕組み・構造などの目に見える問題とは異なり、受け手の感じ方など個人差もあるため非常にわかりにくいのが特徴です。とはいえ、社会の風潮や社員のメンタル面の保護の観点から見過ごすことはできない問題であるため、企業・組織としても対策を講じなければなりません。

その意味で、同じ職場にいる社員や職場が安全であると認識できるということは、社員や職場に対して誰にも危険がおよばないと認識できることです。人的資本に各社が投資をシフトしていることは否定できない事実であり、その事実から心理的安全性の向上は、心理的な危険性を排除することに注力するといったことも必然的に起こりうるでしょう。

私たちは感情に突き動かされ、チームや職場の仲間に対して、脊髄反射的に同僚を攻撃する可能性もあります。また、恐怖や不安があるからこそ、他者との葛藤や対立から逃れようとします。これは、私たち自身が職場を危険な場所にしているということでもあります。心理的安全性は、私たち自身が創り出す危険性に対するアンチテーゼであるのかもしれません。

そして、ハラスメントやワーカーホリックを原因としたうつ病などのメンタル疾患の発病、業務上必要なコミュニケーションへの弊害、精神的プレッシャーによるミスの誘発など、心理的安全性が損なわれることによる間接的な損失のリスクは、企業にとっても見過ごせない問題です。

「心理的安全性のぬるま湯論」とは、ハラスメントがなくなれば自動的に安全になるという考え方に対する議論です。実際には、ハラスメントがなくなったとしても、忖度や配慮によって意見は言いづらくなり、無視や無言、言葉の規制があれば、コミュニケーションが制限され、心理的安全性が確保されることはないでしょう。

企業は、人間関係におけるトラブルが発生した場合、その都度話し合いの場を設け、社内規範を改善しながら、心理的安全性を高め続ける努力をしていく必要があります。

もちろん、社内の陰口や差別、無視から社員を守ることは当然のことではありますが、ここで心理的安全性をもう一度振り返ってみましょう。はたして道徳的な職場が良い職場なのでしょうか?差別やハラスメントがない職場が素晴らしいでしょうか?

もうお分かりですね。いくら道徳を向上させても、社内が淀んでいては、むしろその道徳が何もしないことへの言い訳になったりするものです。本当に良い職場とは、「社員が常に未来を考えている職場」「社員が今の自分を乗り越えようとしている職場」そして「そうした努力が尊敬される職場」のことです。この職場と差別やハラスメントの有無とは、直接関係がありません。

差別やハラスメントを無くすことはいわば土台であって、それが目標になってはいけません。企業にとっての真の目標は、未来に必要とされるサービスや商品を、創造し利益を上げ、社会貢献することです。この視点に立ったとき、心理的安全性は、道徳や倫理によって担保されるとは言えなくなるはずです。

何でも言い合える職場は本当に心理的安全性が高いのか

エイミー・C・エドモンドソンによれば、心理的安全性がある状態を「個人がリスクを取ることを恐れず、他の社員と開かれた対話やアイデアの共有、問題の提起などが行える環境」と提唱しています。つまり、個人がチームや組織内で安心感を持ちながら意見や主張を行える状態を意味します。

徹底した透明化によるメリット・デメリット

たとえば、投資業界のスティーブジョブスと言われるレイダリオ率いるヘッジファンドブリッジウォーター・アソシエイツは、投資効率もさることながら、非常に独特な企業文化でも有名な会社です。ブリッジウォーターは、徹底的に自分の意見やアイデアを言い合える状態を維持するために、アンケートや社員の意見の差異を数値化し、相互評価、フィードバックをさせるなど、社員の感情や主張を徹底して透明化し、議論できる状況をほぼ無理矢理に創りだしています。これは時として、社員の自尊心を傷つける危険性やプライバシー侵害すら起きています。このようなことは、投資会社という一度の意思決定が大きな利益を産み出す可能性と同時に損出を産み出す危険がある業種であることも要因としてあげられます。

心理的安全性のある職場は、個人がリスクを恐れずに意見を述べたりアイデアを共有したりできる環境です。職場やチームが抱える課題の大きさや、挑戦する課題に対してリスクが大きい場合は、チームや職場の社員同士の意見のぶつかり合いや葛藤は必要とされます。意見のぶつかり合いや葛藤は危険性をはらんでおり、より高度な心理的安全性を保つ必然性があると言えます。

ここで重要なことは、職場やチームが持つ目的や課題の難易度が高ければ高いほど、私たち職場やチームには、不安や恐怖が蔓延する可能性が向上するということです。そのような状況である時こそ、各人の多様性や専門を存分に活かし、意見やアイデアを出し合い議論を尽くす必要があります。

このように考えると、透明性と心理的安全性は切っても切れない関係性にあります。これは何も、社員同士が監視し合うという全体主義を意味したりしません。そうではなく、ちょうどブロックチェーン技術では、あらゆる取引が即座に市場参加者に知られることと同様に、心理的安全性の高い職場では、あらゆる情報の共有化が、当たり前に行わているということです。WEB3.0でも言われるDAOという組織形態です。詳しくは下記の記事を参考してください。

可視化された数字情報の円滑な共有による透明化と心理的安全性

コンストラクタルという考え方が最近、GAFAMのリーダーたちによって、提唱されるようになりました。コンストラクタルとは、「川が海にそそぐとき、もっとも円滑で流れやすいコースを取るように、企業内の情報も、最も滑らかに流れることが望ましい」という考え方です。この考え方に立てば、「情報の円滑さを阻害することこそ、企業にとって大きな害であり、結局うまくいかない職場は情報が滞り流れていかない」ということに行きつきます。

コンストラクタルを考えるとき、非常に示唆的な企業が、日本にあります。それはワークマンという、元々は作業服を扱っていたアパレル企業です。2024年3月期決算ではフランチャイズを併せて1752億円の売り上げを叩き出した今注目の企業と言っていいでしょう。

ワークマンが急成長した理由は、「Excel経営」にあります。Excel経営を導入する以前は、在庫管理も顧客数予想も感覚で出しており、それが正確なのかどうかの検証もできず、現状の把握は困難な状態でした。また感覚に頼ってしまうと現場の好き嫌いなど雰囲気に左右されてしまいます。

この状態改め、Excel経営導入がすることにより、全社員がExcelを使って、ワークマンという企業が置かれている状態、そして、自分の所属している店舗の状態を数字で把握できるようになりました。数字でデータが出ると、個人の好き嫌いや忖度が入る余地はなくなります。問題点や伸びている点が一目瞭然になるため、「どこを改善しどこを伸ばせばいいのか」もはっきりします。

そして最も大事なことは、心理的安全性という点で、数字は忖度の必要がないため、上司や他の社員の気持ちを考えなくてもいいということです。隠す必要がなく、全社員の同じデータを共有し、土台が数字であるため、ワークマンは透明性が高く、機敏に顧客ニーズに対応できる職場を可能にしました。ワークマンが驚くほど短期間に店舗を1000以上にまで増やしたことは、このような施策があったためです。

コンストラクタルにおいて大事なことは、情報が阻害されずに滑らかに流れていくことです。その際、社員のプライドや、好き嫌い、嫉妬などが障害となります。それらの余計な感情が、情報の円滑な流れを妨げ、企業業績を暗くしていきます。
ワークマンによるEXCEL経営は、やろうと思えばどこの企業でも導入でき、いわば基本レベルのITスキルでカバーできるものです。それを他社に先駆け実行した点に、ワークマンの先見性を見て取ることができます。

しかし、EXCEL経営にも落とし穴があります。それは、入力数字がそもそも間違っている、操作されているのであれば、EXCELが出してくる解もどんどんズレてしまします。そのため、最終的には数字の意味を解釈できる優秀な経営者やリーダーの目が必要です。AIが発達した今も、最終的な判断までAIができる状態には至っていません。
入力データが間違っていた場合、処理速度が速いだけに間違いが増幅される速度もあがってしまいます。最後は、アナログである人の目による確認と判断が今も求めらています。そのアナログによるセンサーがしっかりと行われていれば、数字を基にした経営は、透明性が高く、忖度が入り込まないという点で、心理的安全に寄与することは間違いありません。

心理的安全性とは、未来を見つめる事、そして、情報が円滑に流れることを、担保できる職場のことです。ハラスメントやコンプライアンスの規定やルールなど創るより、透明性という規範が相互のフィードバックや意見で構築でき、心理的安全性を産み、管理コストのかかるルールや規定よりも、より豊かな組織運営で言えるのではないでしょうか?

このように考えると、職場やチームが向き合う課題や目的と心理的安全性は切っても切れない関係にあります。

心理的安全性が高い組織とぬるま湯組織の違い

心理的安全性が高い組織とぬるま湯組織はまったく異なるものです。心理的安全性が高い組織では、社員の個人的意見やアイデアを積極的に受け入れ、自由な発言や挑戦が奨励されます。失敗を恐れずに挑戦し、成長する機会が多い環境が整っています。一方、ぬるま湯組織では意見をぶつけることを避け、なあなあとしたやり取りが主流で、挑戦する機会が少ないため成長が制限されます。

心理的安全性が高い組織の社員は成長意欲が高く、チャレンジ精神を持っていますが、ぬるま湯組織では成長意欲が低く、挑戦を避ける傾向があります。また、心理的安全性が高い組織は新しいアイデアや意見が生まれやすく、生産性が向上しますが、ぬるま湯組織は現状維持が優先され、生産性が低下する傾向があります。

人事の面でも影響があり、心理的安全性の高い組織では挑戦や成果が評価されますが、ぬるま湯組織では適切な評価が行われない場合があります。そのため、心理的安全性の高い組織には優秀な人材が集まりやすく、ぬるま湯組織では優秀な人材が離れる傾向があります。

なぜ心理的安全性が高い組織はぬるま湯組織と呼ばれるのか?

心理的安全性が高い組織がぬるま湯組織と呼ばれることにも原因はあります。心理的安全性を高くキープすることは、チーム・組織の社員に自由な言動をとってもらうことにつながりますが、過剰に心理的安全性を持ち込むと逆効果になる場合もあるためです。心理的安全性を組織運営という視点から逆効果につながる調査研究はいくつもあります。

心理的安全性はその言葉自体が、安全というポジティブな言葉です。しかし、高度経済成長期の「24時間働けますか?」という昭和的な職場観と比較して軟弱な印象を持つかもしれません。また、言いたいこと言わずに配慮ばかりをして結局言えないという状況を生み出すといったイメージもあるでしょう。

心理的安全性は、率直な議論やコミュニケーションを肯定し、こういったコミュニケーションの状態から、チームや職場は課題を合意形成、役割を相互に確認し、各人が行動に移していきます。

これは各人の発言や合意形成された活動を各人が遂行しているといった、言行一致している状況にあります。しかし中には、口ではいろいろ言っているが行動や活動は違う人が行っているなど、心理的安全性や多様性という命題を盾にして、自己の不正義や言行不一致的な行動を正当化するソフィストのような口だけのメンバーも出てくるでしょう。

チームや職場という小集団においては、言動やコミュニケーションという言語コミュニケーションと同時に、非言語的コミュニケーションである仕草や態度という行動面もコミュニケーションしています。職場やチームは日々の業務の中で関わり合うため、ある意味言動よりも行動が雄弁になり、詭弁や表面的に取り繕うことが困難となっています。

非言語的コミュニケーションから、リーダーやメンバーの真意を読みとることは難しいと言えるでしょう。たとえば、職場メンバーの目的に対する共感や腹落ちなど、メンバーの心の中は想像はできたとしても、そこに対するフィードバックや指摘はメンバーの心理や価値観に踏み込むことになるため、避ける人がほとんどです。

心理や価値観を相互確認しないまま、言動と行動が不一致なメンバーがいれば、コミュニケーションや議論が活発であったとしても、意思決定や行動ができず、リスクを避ける職場になり、全体的に士気が下がってしまう可能性もあります。そのような取り繕いは、非言語的なコミュニケーションによって周囲はすぐ察知するでしょう。

この相互の率直なフィードバックは効きづらく言語化も難しいため、率直さはなくなり、チームや職場全体の成果や結果に対して、表層的な振り返りしかできません。心理的な安全性があったとしても「ぬるま湯組織」になってしまうのです。

また、心理的安全性の持つ潜在的なネガティブ効果を調査した別の研究では、心理的安全性が高いチームはぬるま湯になるどころか、心理的安全性を盾に、非倫理的な行動を生み出すなど、不正を野放しする組織を生み出すといった研究もあります。

心理的安全性は、個々人の倫理面や価値観に対して相互にフィードバックが必要であり、こういったコミュニケーションが行われている状況において、各メンバーは自分以外のメンバーから、行動も含めて見られている状況がつくられます。自分自身が自律的に活動しているといった状況を、周囲の期待がつくりだしているわけです。平たく言えば、心理的安全性は透明性に担保された適度な緊張感を生み出すものなのです。

心理的安全性は、表面的な議論ができていることだけではなく、非言語の一貫性を担保するための価値観や心情への相互理解も同時になければ、成立しないと言えるでしょう。心理的安全性を標榜しつつ、ぬるま湯という職場風土に変化する過程の原因は、各個人にもあるということです。

心理的安全性を創りだす上で、個々人の意識も同時に必要であることはわかりながらも、なぜ私たちは、職場や集団の中で自分をしっかり保ち周囲と関わることができないのでしょうか。

心理的安全性が低い職場における4つの不安

心理的安全性が高い職場にメリットがあるように、逆に心理的安全性が低い職場が抱えやすい不安もあります。では具体的に、心理的安全性が低い職場にはどのような不安が存在するのでしょうか。ここからは、心理的安全性が低い職場の個人が持つ4つの不安について見ていきます。

➀無知だと思われる不安(IGNORANT)

無知だと思われる不安(IGNORANT)は、質問や確認をする際に、「自分の知識不足が恥ずかしいことではないか」「周囲から非難されるのではないか」という不安を感じる状態です。この不安から、必要な情報を求める行動が抑制され、業務上のコミュニケーションや行動が遅れたり、ミスを引き起こしたりすることがあります。

➁無能だと思われる不安(INCOMPETENT)

無能だと思われる不安(INCOMPETENT)は、業務で失敗した際に、自分の能力や判断力に自信を失い、「この仕事はできないのではないか」「他の人に任せた方が良いのではないか」という不安に襲われる状態です。この不安から、自分が有能であることをアピールしようとする行動が先行し、問題を隠したり責任を他人に押し付けたりすることもあります。このような行動は信頼関係を損なう可能性があります。

③邪魔をしていると思われる不安(INTRUSIVE)

邪魔をしていると思われる不安(INTRUSIVE)は、議論や話し合いをする際に、「自分の発言が場を乱してしまうのではないか」という不安を感じる状態です。この不安から、積極的な意見やアイデアを出すことができなくなり、異論を述べることを避ける傾向が強くなります。結果として、自分から発言する回数が減少し、周囲の意見に同調しやすくなります。

④ネガティブだと思われる不安(NEGATIVE)

ネガティブだと思われる不安(NEGATIVE)は、プロジェクトや業務に対する改善案を提案する際に、「批判的な人間だと思われるのではないか」「和を乱すような否定的な意見をする人だと思われるかもしれない」といった不安を感じる状態です。この不安から、必要な指摘や改善案を遠慮してしまい、発言が消極的になってしまいます。結果として、課題や問題解決が遅れるなど、企業や組織に損害をもたらす可能性が高まります。

これは心理学で「インポスター症候群」と呼ばれるものです。この症候群に陥ると社員は、自分に自信に持てず、職場の他の社員から、仲間外れにされているといつも感じ、自分が思っている事を決して話さずに、周囲に合わせる言葉しか話さなくなります。このインポスター症候群の社員が増えてしまうと、企業の生産性は当然下がってしまいます。ぬるま湯の職場はインポスター症候群を引き起こしやすいことも報告されています。

心理的危険性も心理的安全性も自分達でつくっているということ

現代のビジネスの現場は急速な変化を起こし続けており、その影響はチーム・組織における人間関係にも及んでいます。私たちの関係性が刻々と変化する現代において、個人の考え方は社会の空気や多様性などの価値観の影響を受け、簡単に本音を隠してしまうことも多々あり、心理的安全性を確保することは容易ではありません。

前述したヘッジファンド企業ブリッジウォーター・アソシエイツの事例を、もう一度考えてみましょう。社長のレイアダリオは、なぜ、わざわざ社内に波風が立つようなアンケートを実施したのでしょうか。レイダリオは、社員同士で衝突してほしかったわけでもなく、相互監視してほしかったわけでもありません。そうではなく、他の社員からの本音を聞かされることにより、それぞれの社員が暗黙のうちに持っていた自分の仕事ぶりに対する思い込みや独りよがりな考え方を捨て去ってほかったため、レイダリオはあのようなアンケートを実施したのだと思われます。

アンデルセンの有名な童話に「はだかの王様」があります。この童話の中では、王様の裸なのに、それを見ている人は大真面目に「王様の服装が素晴らしい」と言いあっていたのです。なぜ裸の王様を、あの童話の人々は服を着ていると言ったのでしょうか。目が見えなかったからでしょうか。もちろんそうではありません。あの童話の中の人々は、「ほかの人々は王様は服を着ているだろうから、自分もそれに併せて、王様の服を称賛しよう」となり、本当は裸と見ているはずなのに、服を称賛していたのです。

ビジネスの世界のこのような不合理は許されません。しかし、皆がそう思っているから自分もそう言わねばならない。ということは、職場で良く起きる事でもあります。これは避けねばなりません。「裸の王様」の中で、唯一そのような忖度だった自由だった少年が、彼が見たまま「王様は裸だ」だと言えたわけです。言い変えれば、私たちの職場でも、このような忖度から自由な少年を意図的に作り出すことが実は職場の心理的安全性を高めることに繋がります。

社員の思っている本音を言えない職場こそ、心理的安全性の低い職場であり、物事をありのままに見えていないが為に、もちろん業績が上がる事もありません。では、「裸の王様」の少年を意図的に作り出すためにはどうするべきでしょうか。ここで、役にたつ方法の一つとして、悪魔の代弁者という方法をご紹介しましょう。

悪魔の代弁者とは、何らかの偏った状況・仕組みに対し、意図的に反対の立場から意見し打破する存在を、ローマカトリック教会の同名の存在になぞらえてそう呼び、ビジネスの現場で特定の社員が意図的に他の社員を批判する役を演じるこことです。「悪魔の代弁者」役の社員が批判的意見を出すことで、集団が陥っている思い込み・偏見を払拭し、フラットな視点で再議論をしたり、アイデアなどの有効性を再ジャッジしたりするきっかけになります。

 

これは、競技ディベートと同じ構造です。つまり、個人の意見や価値観とは切り離して、あるテーマに対して、肯定側と否定側を両方演じることで、テーマに対する多種多様な意見を出すゲームです。

「悪魔の代弁者」も競技ディベートも、集団志向が高まり、心理的安全性が低下していくこと防ぐための方法として有効です。基本的には、社員同士がお互いの意見を丁寧に聞き、正直な本音ベースの議論を重ねられる環境によって心理的安全性を高めることで、より良いアイデアが生まれ、意思決定の質も向上します。

人はポジティブさだけでなく、時には後ろ向きな感情・苛立ち・不安などを吐き出す必要があります。しかし、心理的安全性が低い環境では、それらのニュアンスが含まれる意見・反論などは発信しにくくなるのが現実です。ここでは、悪魔の代弁者や競技ディベートなどのワークショップの技法を活用して、議論の背景にある個々人の、価値観や倫理観について、踏み込んだワークショップの実施が効果的です。

ヘッジファンドや通常の職場においても、透明性はフレキシブルな事業判断や果敢な投資判断の為に不可欠なものです。透明性のある職場こそ、心理的安全性が高い職場であり、そこでは事業をありのままに見て、どうすれば最適な利益を叩き出せるかを、社員が率直に話し合えるのです。

プライドや独りよがり、その逆のコンプレックスなどによって、事業判断を誤らせ会社を傾けることがあります。企業にとって本当に恐ろしいことは、客観的に今しなければならないことを、社員のコンセンサスによってできなくなることです。誤ったコンセンサスに導かないためにも、本音を言いやすい職場は重要であり、そのような職場こそ、高い心理的安全性が備わっているのです。

上記のような内容を自職場で実施することに懸念を持つ場合は、専門家に相談しファシリテーターなど、第3者を入れて実施することも検討しましょう。

心理的安全性を確保するためには、アメリカの組織理論家カール・エドワード・ワイクが言うように、「自分が正しいかのように議論し、間違っているかのように聞く」という個人個人の姿勢がもっとも重要です。自身の意見・アイデアが現状のテーマ・議題に対して本当に適切かどうか疑わしくても意見が言えるか?あるいは、他者からの反論・批判を自分が間違っている前提で聞き入れることができるのか?といった、責めと受けの両方の視点をチーム・組織の社員全員が持つことが必要です。

心理的安全性が持ついくつかの問い

チーム・組織などの集団内において、心理的安全性を高めることは複数のメリットがありますが、闇雲に導入すれば良いというわけではありません。心理的安全性を高めたからといってすべての問題が解決するわけではないため、導入後にどのように運用していくべきなのかについても気を付ける必要があります。ここではその疑問点について解説します。

タスクと心理的安全性のジレンマ

業務上のタスクと心理的安全性の間には、職場の人間関係や個人的な感情といったものに悩み、葛藤してしまうジレンマが存在します。生産性や効率的な業務を遂行する職場ほど、タスクと心理的安全性のジレンマに悩む傾向にありますが、このジレンマの正体は一体なんなのでしょうか。

一般的に職場やチームには、目標やタスク、役割というタスクの側面と、人間関係や風土など、人間的側面が常に混濁して現れます。

人間的な側面の強い集団を専門用語でゲマインシャフトと言い、家族などの血縁、村・集落といった地域に根付いた集まり、企業内のサークル、創業間もないベンチャー企業など、愛情・愛着などの精神的なつながりを持つ集団・組織を指します。

合理的な側面が強い集団をゲゼルシャフトと言い、国家機関、政党機関、都市・自治体、大企業といった、なんらかの目的や意思によってつながった集団・組織を指しています。

しかし実際には、集団や組織はきれいさっぱり分類されるのではなく、この両側面が状況や環境によって、時にジレンマを起こしたり、時にコラボレーションに変化したりしています。

ビジネスにおける職場やチームは合理的な側面を基礎としながらも、人間的な側面に大きく作用しており、どのような職場もこの両者の中間点でバランスを取っています。職場の人間関係で、私たちが悩むことのほとんどは、このバランスが崩れたときといえます。

基本的にどのようなチーム・組織も、心理的安全性を一定の高さでキープし続けることは容易ではなく、必ず浮き沈みは起こるものです。つまり、個々の社員はどこかのタイミングで必ず心理的な快・不快の波にさらされており、その理由の根底には人間関係による人同士のつながりや、個々の感情にあります。

私たちはこの事実に無視しがちで、企業などのチーム・組織は合理と功利を命題としているため、いかに生産的・効率的に業務を遂行するかに主眼が置かれ、人間関係や個人の感情といったものは二の次にされがちです。しかし、集団の生き物である人間は、他者に対してストレス反応を起こすのは必然で、チームや職場は人間的側面の要素も内在しているため、愛情・愛着といった感情ベースの葛藤が起こることも避けられないのが現実です。

合理的判断のためには透明性は必要です。一方で職場が人間の集まりであることを考えれば、愛情や団結といった透明性だけでは保証できないゲマインシャフトの要素も考えない訳にはいきません。心理的安全性を考えるとき、透明性を高める事と人間的な結び付きを大事にすることとの間で、どうしても葛藤が起きます。透明性と人間性という二つの相反するものの中でバランスを取っていくことが、最適解でしょう。

先に述べたコンストラクタルという概念も、この透明性と人間性の間のバランスをとることによって、より実行可能なものとなっていくでしょう。完全に阻害されずに流れる情報は、企業が人間に集まりである以上不可能です。透明性は限界にあります。透明と愛情との間のどこに、身を置くかはそれぞれの職場や社員の一人一人の判断によって変わっていくでしょう。

人的資本経営の時代において、この人間的側面を如何に、活力や動機に変えていけるかが、大きなカギとなります。今まで軽視されがちだった部分に視点を変えることは、価値を生み出すチャンスとも言え、心理的安全性はひとつの流れとも言えるでしょう。

自律した個人と集団(チームや職場)の循環関係

基本的にチーム・組織などの集団に所属する人は、自律した行動を起こす個人にはなりえません。なぜなら、チーム・組織などの集団には規範・社内ルールなどが設けられ、集団の目的に合わせた専用の行動を行うように促されるためです。

人は集団になった場合、集団を維持するための行動を優先し、仮に個人の考え方や意識が潜在的に影響を及ぼしていたとしても、表面的には集団のためという圧力によって個人は行動することになります。多様性・自由な発想・柔軟な姿勢などの価値観がもてはやされていますが、これらが大切であることは前提としてあるものの、実際の企業では、組織の同調圧力によって社員は動かされてしまう(流されてしまう)傾向にあることも現実です。

心理的安全性を高めると、個人がその人なりの意見・アイデア、または反対意見・批判などをぶつけやすくなります。一方で、全く透明性のない職場がありえない以上、同調圧力はどうしても生まれます。しかも、同調圧力が必ずしも、悪いとは限らず、同調圧力があるおかげで、職場の絆が高まり、自分の役割がはっきりし一丸となって目標へ進むこともできます。これも心理的安全性を高める方法でしょう。

心理的安全性は、透明だからいつも高いとか、同調圧力があるからいつも低いというモノではなく、透明であるべき時には透明になり、同調すべき時には同調できる。それが適時に変化していける職場こそ、本当の意味で心理的安全性が高いと言えます。

この調整弁は、リーダーや所属するメンバーに担う他ありません。日本企業は同調圧力という空気が集団を支配する傾向が強いです。言い変えれば、「個にして全、全にして個」という最大の強みが最大の弱みであるということです。しかし、この調整機能をより早く柔軟にできるようになれば、世界が先駆けた組織論を創造する事も困難ではありません

心理的安全性を仕組み化すると過剰になりマンネリ化する

心理的安全性を仕組み化した例に前述したヘッジファンド企業ブリッジウォーター・アソシエイツが社内で使用しているツール「ドットコレクター」が挙げられます。ドットコレクターは、社員の「率直さ」「透明性」を実現するツールで、社員の意見をスコア化し、どれだけ信頼性があるかを客観性を持って視覚化して社内で共有することができます。

このようなツールは、社員の意見を細かく調査しながら取り入れることができるため、非常に有益です。しかし、そのプロセスで社員間の意見や立場の違いが強調されすぎると、ただ単に多様性を示すだけに留まり、本来の目的である問題解決や意思決定の支援にはつながりにくくなります。そのため、チーム・組織で心理的安全性を仕組み化によって高める際にはさまざまな手法を試し、その都度メリット・デメリットを把握し、調整しながらより最適な形になるようブラッシュアップしていく必要があります。

また、心理的安全性を仕組み化し、「いいね」ボタンの強要するなどの仕組みを回すことが目的化してしまう場合は、本来目的としていた個々の社員の意見・フィードバック・アイデアなどの自由な発言が阻害される可能性もあります。心理的安全性の強要にストレスを感じた社員が意見を発言しなくなったり、革新的なアイデアが出づらくなったり、チーム・組織としての創造性・問題解決能力が低下する状態に陥ることも考えられます。仕組み化を目指す場合は心理的安全性を強制・強要していないかをチェックし、配慮を持って取り入れていく意識も必要だといえるでしょう。

 

心理的安全性を仕組化する事と同時に、それを運営できるは、想像できるのはリーダーや人間が必要不可欠です。そのために、リーダー育成やコミュニケーショントレーニングなど、研修や学習と併せて仕組を導入することが重要です。
心理的安全性を仕組化していくことは生産性の向上という点で、明らかに大事なことです。一方で、その仕組化が、強制されたり、その仕組化によって、何も言えなくなったりもする可能性もあります。心理的安全性の仕組化は、諸刃の剣と言っていいでしょう。この微妙なバランスの上に成り立つ心理的安全性の仕組化を理解できるリーダーを如何に増やすかが、その企業の将来の業績を左右するでしょう。

 

不安にさせる見えない心理的危険性を察知するのは誰か?

結論から書くと、心理的危険性はチーム・組織のリーダー職に就く者が察知するしかありません。理由は、チーム・組織などの集団の内部で個人が個々の役割を担っている場合、客観的な視点(メタ視点・鳥の目的な視点)が損なわれ、集団の在り方よりも個人の身の振り方に意識が持っていかれてしまうためです。

業務フローのような可視化されたものではなく、心理的危険性のような目に見えない概念はとくに気づきにくいものです。そのため、客観的な視点を持つリーダーが社員の状況・雰囲気をチェックし、心理的な変化・なんらかのトラブルが生じた際、心理的危険性によるものを疑って対処する必要があります。心理的危険性の排除を仕組み化することは不可能に近いため、その都度リーダーが現状把握を行い、社員のストレス・不安に対してサポートや適切な処置を行わなければなりません。

心理的危険安全性や職場にある危険性は、各メンバーひとりひとりが相互に察知しコミュニケーションすることが望ましいです。しかし、それができない場合、全体を見ることができるリーダーや管理職がその主体になることが望ましいでしょう。

人の感情や思いは、数値化できないもので、それ故、仕組化もできません。おそらくAIがどれだけ発達しても感情や思いの数値化は無理でしょう。ここには人間による解釈や判断がどうしても必要になってきます。それこそが、チームリーダーに求められる資質でしょう。

数値化しやすい生産目標であれば、合意も得られやすく達成もしやすいものです。それ故、AIに安心して任せられる分野でもあります。一方、社員の悩みや職場の雰囲気と言ったようなものは数値化できず、仕組化も無理です。その時その数字に表れない情報を様々なコミュニケーションによって、素早く見つけられるスキルこそ、リーダーのスキルです。コミュナルセンシティビティ(共同体感性)が今後、より求められるでしょう。

心理的安全性がビジネスにもたらすメリット

ここまでは心理的安全性の成り立ちや概要について解説しました。では、チーム・組織などの集団内の心理的安全性を高めると、どのような具体的なメリットがあるのでしょうか。ここからは、心理的安全性がビジネスにもたらす5つのメリットについて見ていきましょう。

情報の透明性と共有

心理的安全性の大きな条件は、チームや職場内における情報の透明性と共有です。心理的な不安は、職場やチームがどのような状況にあるのか、各メンバーがどのような状況にあるのかということを知らないために起こることが多くあります。

情報の透明性が担保されれば必然的に、心理的安全性がチーム・組織内で高まり、所属する社員は不安・心配を感じることなく発言しやすくなるため、さまざまな情報・アイデアが集団内で共有できるようになります。情報の透明化や可能な限りの可視化は、生産性の向上やミス・トラブルの防止にもつながり、業務の精度が高まるとともに、個々の社員の成長機会も増えます。だからといって、各メンバーの個人情報に至るまで透明化する必要はありません。無用な誤解を産むような情報の非対称性は、心理的安全性においては害悪となります。

情報共有は、創造性・生産性・成長の3つの視点から現代のビジネスにとって生命線であるため、企業・組織にとっても重要な要素になります。心理的安全性が高まることで、集団内での情報の流通とインプット・アウトプットが促進され、企業・組織の経営にとってもプラスに働きます。
企業が、利益を産み出すための集団であるからには、透明化すべき情報の第1に企業業績が上げられます。ここが社員が自社の業績、自分の部署の業績を数字として知っていることは心理的安全性を高める上で、大きなプラスです。一言言えば、自社が儲かっているかどうか?を社員が数字で把握していることが、心理的安全性とも言えるでしょう。そのためには、社員研修の段階で、基礎的な財務の読解力と分析力を教育することが効果的です。

実務だけでは不十分です。実務に対して解釈もぶつけていかねばなりません。解釈とは、そこに、現れた数字を自社に置かれた状況に応じて、検討していくことです。数字の意味は、各社によって違い、同じの会社の中でも部門毎で異なってくるでしょう。単に利益率だけで、企業の良し悪しを論じることがナンセンスであるのと同じく、一般的な数字解釈はありえないと思った方がいいでしょう。

チームビジョンの明確化

心理的安全性が高まったチーム・組織などの集団は、所属する社員が率直な意見・アイデアを出すようになります。その結果、集団としての目標や課題などのビジョンが明確になり、社員の行動指針がはっきりします。

ビジョンが明確になると、個々の社員の役割も明確化し、それぞれが所属する集団のためにできることを率先して行うようになります。意見・アイデア出しはもちろん、フィードバック・批判といった軌道修正に必要な発言も活発になり、チーム・組織の目標や目的に則した建設的な議論や、具体的なアクションを起こすようになるため、業務も効率的かつ生産的に進められるようになります。

人材の自律

チーム・組織内の心理的安全性が高まり、所属社員が安心して意見・アイデアなどの発言ができるようになると、自分自身が必要とされている感覚も強まるため「このチーム・組織に貢献したい」「自分の能力を活かしたい」といった感情が高まります。これはいわゆる、従業員エンゲージメントやコミットメントが高まった状態であり、この状態を生み出せると離職率が低下し、企業として人材の流出を防ぐことにもつながります。

従業員エンゲージメントやコミットメントは、近年課題となっている人材育成や専門性を持った人材の雇用の難しさの観点からも、企業・組織の経営にとって重要な要素であることはいうまでもありません。心理的安全性が高まりは、人事の側面からも有益であるといえるでしょう。

イノベーションの創造

心理的安全性が高く保たれているチーム・組織では、個々の社員が意見やアイデアを言いやすい雰囲気があります。もちろん、出てきた意見・アイデアが、業務の生産性の向上・効率化・イノベーションにつながる内容とは限りませんが、一旦無作為に多くの情報を集め、その中から選別する、といった意味では有効な手法だといえます。

チーム・組織などの集団で多数のアイデアが出ることは、少数、あるいは個人で考えているよりもずっとイノベーションは生まれやすいでしょう。意見・アイデアの出しやすい心理的安全性が高くなった環境であれば、なおさら集団の良さは促進されるため、イノベーションにつながる結果も出やすくなります。イノベーションは計画して、出来る場合と計画してもできない場合とがあります。そして、比率的に圧倒的に計画してもできないものの方が多いのが現状です。一言で言えば、次のヒット商品がどこか出てくるかは?どんな賢い経営者にも社員にも当てる事ができないということです。

だからこそ、多くのアイディアを集めることが重要であり、その集団が、忖度なしに、意見を言い合える場所であることが重要なのです。シュンペーターやポパーと言ったイノベーション理論を創り上げた学者たちが、一様に「開かれた社会(オープンソサエティ)」の重要性を説いた居たことは、決して偶然ではありません。

パフォーマンスの向上

心理的安全性が高いチーム・組織は安心感を抱けるため、所属社員が仕事に集中しやすく、個々のパフォーマンス向上が期待できます。社員個々のパフォーマンスの向上は、ドミノ式で集団としてのパフォーマンスにもつながり、結果としてチーム・組織の業績向上も期待できるでしょう。

また、業績が良くなれば経営状態にも好影響が出るため、企業・組織として事業拡大などにも寄与します。人材が重要と言われる現代のビジネスにおいて、個人の能力が向上することはそのまま生産性・創造性の向上につながるため、心理的安全性の高まりの大きなメリットのひとつです。

組織の心理的安全性を高める方法

心理的安全性のメリット・不安についてわかったところで、チーム・組織などの集団で心理的安全性を高める方法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、心理的安全性を高めるためにできる、7つの方法について見ていきます。

一番重要なのは職場のリーダー教育

チームや組織内の心理的安全性を高める上で最も重要なことは、リーダーシップの育成です。リーダーはチームや組織の環境を整え、信頼と安心感を促進し、職場の文化を形成する役割を果たします。

リーダーは客観的な視点から心理的危険性を把握し、適切な対処を行うことで心理的安全性を高めることができます。とくに現代のビジネスでは、個々の心理的安全性を保証し、居心地の良さと適度な緊張感を両立させることが極めて重要です。これにより、チームや組織の活性化が促されます。

心理的安全性を担保できるリーダーは自然に生まれるものではないため、企業や組織は積極的にリーダーシップの育成に取り組む必要があります。この時リーダーに求めれられる資質は、個々のスキルよりも、全体を見る力であったり、人間関係を調整する力であったり、微妙なバランスを取る。力であったりします。決して、ペパーテストで測れるようなスキルでないことは肝に銘じましょう

情報の透明性

心理的安全性において、重要な要素でありながらあまり指摘されないことが、情報の透明性です。職場やチームの規模やチームメンバーの職位や雇用形態の違いなどによって、職場やチームの情報を流通しにくくなります。情報を一番隠す傾向があるのは、職場やチームのリーダーです。情報共有が実行されず、社員の知らないことが上層部で勝手に決まり、説明もなされない状態こそが心理的安全性を阻害する要因です。

逆に言えば、徹底した情報の透明性の確保は、リーダーとメンバーを結ぶ絆になり心理的安全性を高めます。メンバーにとって不都合な情報や、リーダーにとってもできれば隠したい情報もできる限り説明を加えて開示することで、メンバーそれぞれが職場やチームの問題点により敏感となります。自分がどうすれば、チームに貢献できるかをよりクリアに考え、何よりも不都合な情報でも隠さなかったリーダーへの信頼が増し、心理的安全性が高まります。

注意しておくべきことは、透明性を高めるからと言って、なんでも公開して良いということではありません。個人情報保護は言うまでもなく、社員の機微に触れるような情報はその開示に仕方において、リーダーが最大限の注意を払うべきものでもあります。透明性が高いことは一般論としては良いことですが、やはり、会社も人間社会の一部です。それを言ってはお終いだと言うことはそれぞれの職場や個人にある事でしょう。その公開の仕方にはバランス感覚が求められます。

OKRなどフィードバックと振り返りの習慣

心理的安全性を高めるには、チーム・組織内にOKRを設定することも必要です。OKRとは、Objectives(達成目標)、Key Results(主要な成果)を設定し、チーム・組織などの集団において、所属する個々の社員が同じ課題・問題に取り組めるようにするリフクレションの枠組みです。管理手法です。まずは企業・組織の大枠の目標を設定し、次にチーム・部署などの単位に細分化して目標設定、さらに個々の社員の個人的な目標にまで連携しでピラミッド状に分解して目標を設定することで、集団のアクションの方向性を決定します。

企業・組織から、チーム・部署、個人それぞれの目標が明確になるため、目指すべき大枠の目標を前提として共有でき、全社一体となった協力体制が築きやすくなることがメリットです。シンプルで基本的な手法ですが、チーム・組織内の心理的安全性を高めるためにも使える手法なので、積極的に取り入れていきたいところです。

また、このフィードバックは時に、当該メンバーにとって厳しい内容になるかもしれません。しかしそれを言わないで、放っておくと、当該メンバーだけではなく職場やチームそのものにもダメージが及びます。「わかっていても言わない」という態度は、心理的安全性において思いやりではなく、むしろリスキーなことなのだと考えておきましょう。

辛い現実に向き合うことは、個人においても職場においても、勇気のいる事ですが、問題があるのに蓋をすれば、改善されずますます悪化し、将来取り返しのつかない損失になります。小さな傷の段階で、細目に手当をしておくことが、将来に大きな損失を出さない事の最大の帰結です。相互に厳しいフィードバックは、良薬は口に苦しということではないでしょうか?

ピアボーナスなど心理的報酬の導入

ピアボーナスとは、チーム・組織などの集団に所属する社員同士で何らかの報酬を送り合う制度を指します。たとえば、景品などの交換できるポイントを社員同士で送り合うなどの方法です。Google社などは現金を支給する形式を取っています。

ピアボーナスが重要な理由は、個々の社員が「自分は認められ必要とされている」という感覚を得てもらうことにあります。承認欲求と言い換えることもでき、人間が健全に生活するためには承認欲求を一定満たすことは必要になります。ピアボーナスで報酬を送る側・受け取る側の双方が互いに感謝を述べ、敬意を示すことで承認欲求が満たされ、心理的安全性を高めることにつながります。

褒める事や叱る事も含めて、感情的なコミュニケーションを私たち日本人は、あまり強調して来なかった歴史があります。しかし、他者から認められる事や認識されることに対して、今後は積極的になる時代になるのではないでしょうか。

その一方で、特に日本社会でピアボーナスを導入すれば、承認の強制が始まる可能性があり、お互いに承認にしあうことが、義務となってしまう結果、承認そのものの意味がなくなり、最終的には辞めてしまおうという結果にもなりかねません。ピアボーナスを導入する時にだいじなことは、その承認が社員の心からのモノであり、そう簡単に発行できないものであることが必要です。その意味でGoogle社が、ピアボーナスを現金で支給すること規定することは理に適ってします。人は自分の現金を手放す時、何よりも慎重になるからです。

意図やメッセージのある柔軟な評価制度

心理的安全性を高めるためには、チームや組織の社員が積極的に発言する評価制度を導入することも重要です。従来の成果や結果だけを評価する方法では、社員が発言することを避けたり行動を控える恐れがあります。

近年注目されているノーレイティングと呼ばれる評価制度では、年度末のランク付けをやめてリアルタイムで目標を設定し、上司と対話しながら姿勢や成果を評価します。このような制度は社員の発言を抑圧することなく、心理的安全性を高める効果が期待されます。企業が社員の意見や行動を制約するような手法を見直し、心理的安全性を重視することが大切です。

物質の形での報酬は、その瞬間はうれしいものの、受け取って時間が立てばほとんど残らなくなります。報酬はあくまでも、おまけに過ぎません。その報酬を支える評価の言葉やレトリックこそが、いつまでも社員に胸に残り、次の仕事への原動力にもなります。リーダー単に、結果への貢献度を数字ではじき出して、それに見合う金額を与えておけばいいというモノではありません。

その報酬を後ろから支える効果的な言葉や意味づけを選び、それを個々の社員に向けて適切な時期に投げかけてあげることが重要です。報酬は只の数字ですが、評価は経験となります。如何に次にやる気を出してもらえるレトリックを使いこなせるか?が、リーダーの大きな資質な一つです。この意味で、リーダーは、詩や小説にある程度、親しんでおくことが望ましいでしょう。

1on1ミーティングによる属人的関係の構築の場

1on1ミーティングは、上司やリーダーが部下と1対1で行う面談のことを指します。心理的安全性の高低は人間関係に大きく影響することを前述しましたが、良好な人間関係を築く上でコミュニケーションが非常に重要です。とくに上司やリーダーと部下の関係は重要であり、パーソナルな話題や趣味、特技などに踏み込んで話し合うことで信頼や親近感を高めることができます。

新人へのサポート体制を整える

新人がチーム・組織に入る場合があるため、サポート体制を整えておくことも大切です。新人が少しでも早く新たな環境に馴染んでもらうための雰囲気づくり、仕事を円滑に覚えてもらうための仕組みの準備、社員全員で新人をサポートする意識を持つなどの体制です。

どのようなチーム・組織でも必ず新たな人材は入ってくるものです。新人にとって心理的安全性の高い環境であるためには、サポート体制は必要不可欠であり、心理的安全性が担保されている職場であれば、すぐに離職・離脱するといった事態を回避できることにもつながります。

マインドフルネス

心理的安全性は個人がチームや組織内で尊重されることに焦点を当てていますが、マインドフルネスは自身の内面に意識を向け、思考や感情などを客観的に見つめる手法です。マインドフルネスの効果はより幅広く、環境に左右されずに自分の内面を客観的に見つめることで外界の見え方や受け取り方を変えることができます。これにより、主観や偏見などから解放されることができます。

心理的安全性とマインドフルネスは異なる手法ですが、親和性が高く、両方を組み合わせてチームや組織内で実践することで効果的な成果が期待できます。
しかし、社内でマインドフルネスにせよ瞑想にせよ専門家がいない場合がほとんどでしょう。そのような時には福利厚生の一環として、外部から信頼のおけるヨーガインストラクターを招聘したり、瞑想の指導ができる僧を呼びことも考えてもいいでしょう。

まとめ

チーム・組織などの集団内で心理的安全性を高めることは、個々の社員のパフォーマンスを向上させるなど、集団としての良質なチームプレイを行う上で重要です。また、その効果は行動力が向上するだけに留まらず、社員のメンタル面の安定、離職率の低下、チーム・組織・企業への愛着心を高めるなど、多方面にポジティブな影響を及ぼします。

現代のビジネスでは、価値観が多様化やグローバル化といった時代背景もあり、多様な人材が1つの職場に集まって協働することが当たり前となりました。また、第3次産業がビジネスの主軸となり、人的資本が経営の柱となっている現在、職場の人間関係やコミュニケーションの在り方についてあらためて問われています。

そのような状況下に対応するため、多くの企業・組織で取り入れられているのが心理的安全性の概念です。まずは本記事でお伝えした「心理的安全性を高める方法」を形からでも実施していただき、チーム・組織の人間関係やコミュニケーションの質を高め、個々の社員の成長・パフォーマンスの向上、業務における生産性の向上や効率化につなげていきましょう。
利益増大や生産性の向上を求めることは、企業経営者として当然です。しかし、その為にとかく設備投資や福利厚生に重点を置くあまり、個々の社員が持つ、内面世界へのアプローチがなおざりになる傾向があります。本記事でご紹介した心理的安全性こそ、社員の内面世界と密接に結びつき、その内面世界をより安定させ、より豊かにしていくものでもあります。心理的安全性は言わば、職場の土台というべきものでもあり、ここへのアプローチをしっかりとってこそ、企業業績の伸びが可能となります。まずは心理的安全性から。これを締めくくりの言葉としましょう。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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