動機付けとは?ビジネスにおける意味やモチベーションを高める方法を解説

動機付けのビジネスにおける意味やモチベーションを高める方法

ビジネス上の業務遂行で重要になるのが、社員のモチベーションです。日本語でやる気とも言い換えられ、そのやる気を引き出す方法として動機付けがあります。動機とはつまり、何かを取り組む理由を指しますが、仕事にせよ勉強にせよ、人は簡単に動機を用意することはできません。

ビジネスの現場において、動機を持った社員のパフォーマンスは高く、自己成長や目の前のタスクをこなすスピード感が優れており、生産性の高い存在として評価される傾向にあります。ですが、社員なら誰でも自動的に動機が持てるわけではなく、動機によって自発的に行動できるようになるには指導や管理の方法として動機付けを行い、社員から動機を引き出さなければなりません。
動機が欠如することによる生産性の低下や離職率の上昇につながってしまいます。若手の離職や自律型の人材の不足は、単にスキルや技術だけではなく、根本的な仕事や組織に対する情熱や意欲の不足による問題が大半を占めています。

また、人的資本を重要視しながらも、賃金や能力といった一定のレベルで可視化し表出できる要素と、認知アンケート(満足度やモチベーション)などの数値は、表面的な側面に過ぎません。目に見えないものの維持や発展をいかに図るかが、人的資本における重要な課題となります。そこで本記事では、ビジネスにおける動機付けの意味・種類・必要な理由をはじめ、実際に現場で動機付けを行う方法まで解説していきます。

動機付けの意味

動機付けは、行動を起こし継続し続けるための心理的プロセスや、その機能について指す心理学用語です。動機付けは、個人が目標や目的に向かって行動を起こし、その状態を継続させるための燃料のようなものです。適切に理解して活用することで、意欲を高めたり行動力を上げたりする効果が期待されます。

動機付けに関してはさまざまな理論が存在しますが、実際にはまだ科学的に完全に解明されていない側面も多々あります。さらに、社会の多様化によって個人の好みも変化しており、普遍的な動機付け方法の開発が難しいことも押さえておかなければなりません。

人間の活動において、目に見えない力である「動機」は強力な武器にもなりますが、簡単に扱えるものではない領域でもあります。心理学、精神分析、形而上概念においても、動機付けについて諸説が存在します。動機やモチベーション、熱量、欲望などという「動機」という要素が、社会的、技術的、ビジネス上の活動の原動力として機能していることは、周知の事実です。動機の影響や要因を考えることは、ビジネスにおいて極めて重要な要素となります。

動機付けの種類

動機付けは非常に複雑な要素で構成されていますが、一般的には、「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類に分けて考えられています。まずは「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の概要を押さえておきましょう。

外発的動機付け

外発的動機付けとは、行動を促す要因が「報酬」「賞罰」「評価」といった人為的な刺激によって起こるという考え方を指します。たとえば、「上司から怒られないように能力を上げて成果を出す」や、「昇進・昇給を目指して努力する」といった行動があり、即効性の強さが特徴です。

外発的動機付けは、成果や成功を目指すといったポジティブな要素だけでなく、叱責や評価の低下といった、ネガティブな要素への怖れによって行動を促す特性も持っています。損得がはっきりしているため簡単に用いることができ、社内の評価システムに取り入れられている仕組みでもあります。

また、動機付けを引き起こす要因については、現在では主に外部要因とされています。この観点では、マズローの欲求段階説における下位層の生命維持などや、フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」に提唱された「衛生要因・動機付け要因」が関連しています。

しかし、社会の変化と共に、衛生要因やキャリア観の考え方の多様化により、これらの説明が厳しいものとなっているのも事実です。多様な人材の価値観が高度に複雑化した現代において、衛生要因や生命維持、キャリアに対する人々の見解が異なることから、これらの理論が通用するかどうかには疑問符が付いています。

内発的動機付け

内発的動機付けとは、内面に湧き上がる興味や関心、意欲が行動の原動力になっているという考え方を指します。外部から与えられる金銭や名誉、叱責や評価といった刺激に頼らず、心や思考といった内面に沸き起こった意思をベースに行動を起こす動機付けになります。

一般的に内発的動機付けには、「責任感」「充実感」「達成感」「自尊心」など、感情に紐づいた要素が関与しており、個人の思考や性格によってその要素は変わってきます。具体的には、「仕事が楽しすぎて時間を忘れて没頭した」や「自分自身との約束を守るために目標を達成したい」といった行動があります。

内発的動機付けで注意すべき点は、外発的動機付けのようにすぐに取り入れて動機付けられる即効性は期待できないことです。興味・関心・意欲など、内面の様相は人それぞれであり、内発的動機付けは相手に合わせて時間をかけて取り組む必要があるためです。

また、外部からの影響を受けず、内部から生じる動機(内発的動機)は存在しません。たとえば、競争相手に勝ちたいという気持ちや、社会的な問題を解決したいという使命感、認められたい欲求、自身のビジョンの具現化への願望などが内発的な動機として考えられます。

外部要因は常に変化し、相対化する枠組みであり、内発的な動機を引き起こす環境要因や刺激全般を含意しています。つまり、外部要因やきっかけをどのように創り出し、内発的な動機を誘発するか、これをビジネスの観点から考えていくことが求められます。

内発的動機付けは、利益や報酬、責などの評価に左右されにくく、個人の成長を大きく助けてくれます。社会学者チャールズ・ライト・ミルズは動機を語彙や言葉と捉え、自己を納得させるための理由を見つける過程や結果であると述べています。動機は行動や結果に対する自己正当化や大義名分とも関連しているのです。

ビジネスにおいて動機付けが必要な理由

現代社会におけるビジネスシーンでは動機付けがますます重要視されています。その背景には、労働人口の減少や働き方改革の進展が影響しており、個人の労働生産性の向上がさらに注目されるようになったことがあります。

従来のビジネスでは、目標管理や行動管理、プロセス管理などを通じ、組織としての生産性を向上させることが一般的でした。しかし現代においては、AI等のテクノロジーによって単純作業は自動化され、社員はクリエイティブな領域で個人の能力を発揮することが求められています。

そのようなビジネス環境において、従来のような管理手法では社員一人ひとりの意欲や成果を引き出すことは困難です。個々の社員の成長や自己実現を促進するような、動機付けによるマネジメントや管理が求められるようになりました。

また、ビジネスにおける動機付けは労働生産性の向上だけでなく、社員の満足度やエンゲージメントの向上につながる点も見逃せません。社員が自社にコミットし、情熱を持って仕事に向き合うことで成果や生産性の向上につながり、結果として企業の競争力を高めてくれる効果も期待できるでしょう。

人的資本を開示するような時代になり、現在は物理的資本よりも人的資本がより重要視される時代に変容しています。従って、働く人々の「動機」「やる気」が経営における重要な経営指標であることは疑う余地はないでしょう。

若手や部下の動機付けの問題

動機付けを行う際には、若手社員とのジェネレーションギャップについても考えなくてはなりません。金沢大学の教授である金間大介氏の著書「先生、どうか皆の前でほめないで下さい~いい子症候群の若者たち~」によると、現代の若者は「いい子症候群」といわれる特徴を持っているとしています。
いい子症候群の特徴は、以下になります。

    • 協調性があり、周囲との関係を重視する
    • 指示されたことは実行するが、自発的な行動は少ない
    • 他人の意見に敏感であり、自分の意見を述べることに抵抗を感じる
    • 悪い報告やネガティブな情報を避ける傾向がある
    • 質問をすることをためらい、匿名での質問に偏る
    • 上下関係に敏感であり、雰囲気を重視する
    • 授業や会議、オンライン上では存在感を抑え、集団の一員として溶け込む
    • 自身やグループに関する問いかけに反応しない
    • 自己評価が低く、自信に欠ける
    • 競争を嫌い、平等を重視する
    • 特定の目標や情熱を持つことが少ない

上記の特徴は、若手やZ世代に限った話ではなく、ほぼすべての日本の組織内で共通する習慣です。この「いい子症候群」は、協調性があり周囲との関係を重視する一方で、自発的な行動が少なく、他人の意見に敏感で自分の意見を述べるのに抵抗を感じ、悪い報告やネガティブな情報を避ける傾向があります。質問をためらい、上下関係に敏感で雰囲気を重視し、存在感を抑えて集団に溶け込もうとする傾向も見られます。

これらの特徴は、個人の価値観や社会的背景によるものの遠因であり、世界各地で社会問題になっています。米国「doomer世代」、中国「タンピン族」、韓国「MZ世代」など、それぞれ文脈の違いはありますが、若者や社員の思考や価値観は社会の鏡です。こうした特徴は単に若者だけでなく、幅広い世代に共通して見受けられるものであり、組織内での価値観や行動パターンの影響を反映しています。

うまく物質的な報酬だけでは動機付けされない時代

近年のさまざまな科学的な研究によると、現代の人々は、物質的な報酬だけでは仕事や学習において深い動機付けがされないことがわかっています。物や便利なサービスは行き届いていますし、過去と比較して所有欲や金銭欲などは低下しているからです。
そこで重要になるのが、以下 のような非物質的な要素を用いた動機付けです。

自己成長

社員が業務に対して自己成長の意識を持つと、長期的な動機付けが促進されます。挑戦的なタスクや実力よりやや上の業務にトライすることで成長を実感し、満足感や充実感を得られるためです。

自己決定

自分の興味や価値観に基づき、自己決定しながら行動できると、より深い動機付けにつながる場合があります。社員が主体性を持って行動できると責任感が養われ、人生に幸福感をもたらす心理的な要素「自己コントロール感」が作られるためです。

連帯感と目的意識

社員が同僚やチームメンバーと連携しながら密なつながりを築くことは、動機付けの効果を高めます。同じ目的や価値観を持つグループやコミュニティに所属することで、個人の動機付けは強まるでしょう。

認知的報酬

成果を評価したり、言葉やイベントによって賞賛したりと、認知的な報酬の場を設けることは動機付けに効果的です。仲間に認められたことによる自己肯定感の向上や成果を評価されて得られる達成感は、動機付けを促進するでしょう。

上記のように、外部の媒体よりも、深い内面で人々が認識し、解釈することがなければ、動機が引き起こされない時代になっています。お金という指標が、今では「いいね」の数という指標に置き換えられるような状況でもあるでしょう。「いいね」の数だけでは生計を立てることは難しいかもしれませんが、しかし、それは承認欲求を承認動機の数値として反映されています。視点を変えれば、物質的報酬が動機付けされないのではなく、それに意味や解釈が付与されない限り、動機付けがなされないと言えます。

動機付けがうまくできないのはなぜ?

「外発的動機付け」「内発的動機付け」などの意味や、ビジネスに動機付けが必要な理由を理解していても、実際に動機付けがうまくいくとは限りません。むしろ、取り組みを始めて見ても思うような効果が得られないケースの方が多いのではないでしょうか。ここでは、動機付けがうまくできない6つの要因について見ていきましょう。

目標が解釈や意味付けとしてつながっていない

動機付けがうまくできない理由の1つは、個人の目標とその目標に対する解釈や意味付けがつながっていないことです。個人が目標達成を通じて自己成長やスキル向上を感じられない場合、目標に対する動機付けが低くなります。目標が個人の成長と関連性を持たないと、意欲を持つことが難しくなります。

また、目標が個人のアイデンティティや価値観と結びついていない場合、その目標に対する動機付けが低下します。そのため、自分自身とのつながりを感じることが動機付けにおいて重要です。

さらに、自己肯定感が低い人は、自分自身に対する信頼や自己評価が不足しており、目標達成への自信を持ちにくい傾向があります。自己肯定感の低さが動機付けを妨げ、目標に対する取り組みが消極的になる可能性があります。

目標を達成するための情報や適切なサポートが不足している場合も、個人はどのように行動すべきかを把握できず、動機付けが難しくなります。ただでさえ自己不信にある中で、不確かさや不安定な状況では、目標に向かって行動する自信が揺らぎ、動機付けがさらに低下します。

職場の関係性が悪い

動機付けがうまくできない理由の1つとして、職場の関係性が悪いことにあります。たとえば、人間関係が極端に悪い職場や、悪口・陰口などが横行している職場、または社員同士の派閥争いや足の引っ張り合いが起きている職場などです。

人間は集団で生活する生き物であり、所属する集団からの影響を大きく受けることになります。ポジティブな人に囲まれていれば自然と自身も前向きになりますし、ネガティブな人に囲まれれば同じような思考回路になってしまうものです。

ビジネスにおける動機付けは、個々の社員の前向きな姿勢やポジティブな感情との相乗効果によって効果が高まるため、働く職場の環境は非常に重要なポイントになります。現在の職場環境が適切ではない場合、話し合いの場を設けるなど対策を練る必要があるかもしれません。

相手に合わせた動機付けができていない

動機付けには「とりあえずこれをしておけば良い」といった、一般化した方法は存在しません。何が動機付けになるかは人それぞれであり、個別の社員の性格や特性を理解したうえで動機付けを行う必要があります。

その際に重要なのが、対象の社員が何に興味関心を持っているかをリサーチすることです。動機付けを試みるリーダーが部下に対して効果的なアプローチを行うためには、まず部下の考え方や価値観を理解し、また業務や仕事に対する部下の見方を把握することが必要です。これがなければ、動機付けは難しいでしょう。

ただ目標を設定するだけでなく、社員は何がしたいのか、どのようなことにやる気を感じるのかなど、一人ひとりの意見を反映しながら個性に合わせた目標設定(動機付け)を行うようにしましょう。

動機付けは自己決定という自己の認識

動機付けを踏み込んで知るためには、1985年にアメリカの心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した理論「自己決定理論」が参考になります。「自己決定理論」は多くの心理学者から支持され、実際にチームや組織におけるメンバーの動機付けを行う際に参考にされています。

「自己決定理論」の概要を説明すると、他者から指示されて行動する状態から、自発的に行動するまでの状態を明らかにした理論になります。外発的動機付けから、内発的動機付けに至るまでの行動状態や心理状態を、第一段階から第五段階までのフェーズに分けて解説しています。段階が細分化されているため、実際の社員がどの状態か照らし合わせることができ、必要に応じて動機付けの方法をチューニングできる実践的な理論だと言えるでしょう。

「自己決定理論」の5つの段階

「自己決定理論」において、内発的動機付けに至るには、以下の5つの段階を辿ることになります。部下、あるいは自身がどのフェーズにいるかをチェックし、今後の動機付けの方向性を定める参考にしてもらえればと思います。

    1. 外的調整

第一段階の「外的調整」の状態は、100%外的動機付けが行われている状態のことです。たとえば「報酬」「賞罰」「評価」といった、人為的な外からの動機付けが働いている状態であり、自発的にモチベーションを生み出している状態ではありません。

    1. 取り入れ

第二段階の「取り入れ」は、仕事上でなんらかの義務感が発生し、突き動かされるように行動している状態です。自分がやらなければならないという意識、ノルマに対する意識などが芽生え、誰かに指示を受けなくても自発的に行動できる状態です。

    1. 同一化

第三段階の「同一化」は、今行っている行動を自分のものであると考え、自己の存在と行動を同一視して認識している状態です。行動の意味や必要性を理解しており、行動の結果に価値も見いだしている段階です。

    1. 統合

第四段階の「統合」は、自分個人の目的・目標・欲求と、今行っている行動の意義や価値が一致している状態です。この段階では外発的動機付けから内発的動機付けに近づいており、賞賛や褒賞といった、外部からのインセンティブに左右されない動機に変化しています。

    1. 内発的動機付け

第五段階の「内発的動機付け」は、その行動自体に意味・意義・価値を見いだし、酸いも甘いもすべて受け止め、楽しみながら行動している状態です。誰かに指示されなくとも、報酬が用意されていなくても、自発的に行動を起こし成長していく理想的な動機が持てています。

動機付けには、個人が自身の仕事や目標に対して内面で考え、納得感を持つことが重要です。この内面的な腹落ちがあれば、本質的な動機が生まれ、それを支えるためにリーダーや周囲の人々がサポートの役割を果たすことができます。このプロセスは、自己が納得感を得るために、傾聴や対話などのコミュニケーションが欠かせない要素となります。

動機付けとは「意味付け」すること

動機付けとは、目的を達成するプロセスに対し、感情や感覚によって自分主導で意味づけを行うことでもあります。

たとえば、外発的動機付けであれば、報酬や他者の批判といった外部からの刺激を受け取り、それを自己の中で解釈・意味付けを行うことで動機に変換し、行動を起こす原動力にします。また、内発的動機付けでは、内面から出た「責任感」「充実感」「達成感」「自尊心」から仕事などの出来事に意味付けすることで動機に変換し、行動に起こすプロセスを辿ります。

では具体的に、各シチュエーション別の動機付けにおいて、どのような意味付けがあるのでしょうか。

上司との部下という関係における意味付け

上司と部下の関係においては、主に役割による関係性に基づいて意味付けがされます。上司の役割は部下へのサポートや指導であり、部下は上司のリーダーシップに従いながら目標達成に向け行動を起こします。この関係性に意味を見いだすことにより、上司・部下それぞれの役割におけるパフォーマンスを発揮することができます。

また、上司と部下の関係性を意味付けることにより、上下関係を発端として部署やチーム内での協力関係や社内コミュニケーションが活発になります。部署やチーム全体を巻き込む形で動機付けを行える上司と部下の関係の意味付けは、その波及効果によって複数の社員のパフォーマンスの向上を期待できるのがメリットです。

周囲や関係から意味付け

社会生活や社交関係も、個人の動機付けに影響を与えます。友人や家族、同僚などとの関係が強化され、支えられる場合、個人はその関係を大切にし、関係の良好な維持に向けて努力する可能性が高まります。このような社会的なつながりは、個人にとって重要な意味付けの要素となります。

また同じ会社内でも異なる部署や職場を超えた関係、組織全体の制度やルールによる意味付けは、個人の動機付けに大きな影響を与えることがあります。さらに、業界のトレンドや成功事例に触れることで、個人は自身の行動やキャリアに新たな意味を見いだすことがあります。

学習や成長における意味付け

社員が成長やスキルの向上を目指す際、その意欲の源泉となっているのが学習や成長における意味付けです。社員自身が学習や成長に意味を見いだすことにより、「必要に迫られ、やらされている感」や、「みんながやっているから仕方なくやる」といった、後ろ向きな学習・成長態度に陥ることがなくなります。

また、仕事における学習や成長は、能力や知識を伸ばしてくれるため社員に充実感をもたらし、個々の目標や興味に対する向き合い方も前向きな姿勢にしてくれます。結果、継続的に動機付けを行いながら、目標達成を目指して行動し続けることが期待できます。

ビジネスにおける効果的な動機付けのポイント

観念的であるため、うまく行うことが難しい動機付けですが、コツは存在しています。ここまで記述した内容の総括にもなりますが、復習の意味も兼ねて動機付けのポイントを押さえておきましょう。

自分で意味付けしているという感覚を持つ

人間は誰でも外発と内発を行き来しながら動機付けを行っているものです。ビジネスにおける動機付けでもっとも重要なことが、仕事上の行動・人間関係に対し、社員が自分で意味付けしているという感覚を持つことです。

「5つ段階」でいうならば、三段階目のフェーズ「同一化」の辺りから、自分で意味付けしている感覚を自覚できるでしょう。同一化、つまり行動を自分ごととして捉えているため、行動にまつわる要素(作業や人間関係など)に自分で意味付けを自然に行っている段階だからです。

動機付けを行う対象の社員が「同一化」以前の段階だったとしても、企業や上司が自分で動機付けをすることの重要性を理解した上で指導・動機付けを行うことが大切です。

意味付けを添えた目標設定

動機付けで重要になるのが、目標が解釈や意味付けとしてつながっていることです。上記でも解説したように、目標が個人の成長と関連性を持たないと、意欲を持つことが難しいため、具体的な仕事や目的に対して、個人が「なぜその目標を達成したいと思うのか」ということと密接に関わってきます。その目標達成がどのように自己の価値観や志向性と結びついているのかを明確にしましょう。

意味付けを添えた目標設定は、個人の内なる動機や価値観を尊重し、これによって、動機付けが強化され、より意欲的に目標に向かって取り組むことが可能となります。

リアルタイムで対話を行う

動機付けの効果をより高めるためには、上司と部下がリアルタイムで対話できる状況を作ることも大切です。リアルタイムな対話を行うことには2つの意味があります。1つ目は、部下が現在どの業務・作業を苦手とし、どの能力が足りていないかを上司・部下双方が把握するためです。2つ目は、部下との信頼関係を作るためのコミュニケーションです。

部下は基本的に、上司や頼れる人に話を聞いてもらいたい、現在の業務や人間関係などの悩みについて相談したいと考えています。その気持ちをしっかりと汲み取るためには、リアルタイムの対話によって上記2つの目的、部下の能力の把握と信頼関係の構築が必要になります。

また、リアルタイムの対話では、部下の動機付けにつながる表現・態度を用いてフィードバックやコミュニケーションを行うことが大切です。適切に褒めながら足りない部分をサポート・助言することで、承認欲求とモチベーションの両方を引き出すことができるからです。頭ごなしにダメ出しはせず、部下を尊重し理解する対話を意識すると良いでしょう。

振り返り

仕事におけるプロセスと結果を洞察する、振り返りを行うことも動機付けの効果を高めるためには大切です。

アメリカの哲学者であり経験学習の研究者でもあるデイヴィッド・ゴルブが提唱した「経験学習モデル」においても、振り返りが内省的観察としてプロセスに含まれています。ゴルブの「経験学習モデル」のベースとなった教育思想家ジョン・デューイが提唱していた学習理論においても、反省的思考=振り返りの重要性が説かれています。

振り返りはパフォーマンス向上や能力獲得といった、自己成長における重要なプロセスの1つであり、個人のモチベーションにも大きく寄与するため、動機付けとは切っても切り離せない関係です。

具体的な方法としては、定期的に内省する機会を設けたり、上司や先輩社員が部下にフィードバックを行える場を用意すると良いでしょう。企業内にそのようなオープンコミュニケーションの文化を根付かせることも、動機付けを効果的にするためには大切になります。

まとめ

ビジネスにおける動機付けは、社員のパフォーマンスを向上させる起爆剤となるため、指導・管理・コミュニケーションにおいて意識しておきたい概念です。とくに昨今のビジネスシーンは変化が激しく、常に新しいテクノロジーによって刷新されたビジネスの方法論・モデルを社員は学び続けなければなりません。そのためには、動機付けによってモチベーションを引き出すことも大切であり、社員が内に秘めた目に見えないやる気をいかに一定の状態に保つかが企業の課題となっています。動機付けによって社員が主体的に学び・挑戦し続ける組織を作っていくことが大切です。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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