人材育成における課題 従来の人材育成方法は意味がない?個を伸ばす育成方法とは

働き方改革やテレワーク推進といった外部環境の変化の渦の中で、企業のあるべき姿も目まぐるしく変わっています。
特にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の脅威にさらされている今は事業の継続が最優先事項ですが、長期的に考えると人材の育成にも目を向けなければなりません。
本記事では、従来の人材育成方法における課題についておさらいをしつつ、これからの人材育成がどうあるべきかを解説していきます。

多くの企業が抱える人材育成の課題

2020年1月に日本経団連が実施した「人材育成に関するアンケート調査結果」によると、人材育成施策の環境変化への対応状況について、9割を超える企業が「対応できていない部分がある」と回答しました。

対応が必要となっている要因(複数回答)としては、就労意識の多様化(ダイバーシティ経営の推進)、デジタル技術の進展、事業のグローバル化の進展、オープンイノベーション(外部との連携)の広がりなどが挙がっています。

企業が行なっている人材育成への取り組み

もちろん、企業も手をこまねいているだけではありません。
経営者は人材育成は急務であるとし、前述した調査の結果によると回答した企業の半数以上が「すでに対応策を検討または取り組んでいる」と回答しました。

具体的には、「人材育成方針・戦略・予算の見直し」「経営トップや人事部門からのメッセージの発信」「人材育成施策対象の重点化」「Off-JTの見直し」などに着手しています。

しかし一方で、リクルートマネジメントソリューションズが2016年に従業員数500名以上の企業に対し行った調査では、研修の効果測定を行なっている企業は全体の半数程度であることがわかっています。

代表的な研修の効果測定モデルとして、カークパトリックの4段階測定モデルがあります。

カークパトリックの4段階測定モデル

レベル1  Reaction(反応):  研修参加者の満足度の調査。
レベル2  Learning(学習):  研修で学んだ知識・技能・態度面での理解度の調査。
レベル3  behavior(行動変容):研修後、職務上の行動が変化したかの調査。
レベル4  Results(結果):    研修後、研修によって成果が上がったかの調査。

カークパトリック氏によると、研修実施側が「研修による行動変容」について知りたいと思っても、レベル1の研修に対する満足度やレベル2の研修への理解度を計測していなければ、それによる行動変容について調査することはできないとしています。

さらに、このカークパトリックのモデルに新たな測定項目を追加し、5つのレベルで研修の投資対効果を測れるようにした、アメリカの経済学者ジャック・フィリップス氏のROIモデルがあります。

レベル1 Reaction(満足):受講者はその研修に満足したか
レベル2 Learning(学習):研修を終えて受講者の態度や知識が変化しているか
レベル3 Application(業務適用):受講者が研修で学んだことを実践しているか
レベル4 Business Impact(業績):その研修がどれほど社の利益に貢献しているか
レベル5 ROI(費用対効果):研修に投下した費用に対して、どれほどの効果が得られたのか

このモデルによると、ビジネスにインパクトを与えられるレベル4に到達する割合は1割程度だとしています。
しかし、2018年にトロント大学スカボロ校経営学部組織行動および人事管理教授であるアラン・M・サックス氏が行なった研修による実業務への変化に関する調査によると、半年〜1年にかけて半数程度の割合で研修の効果が出ていることがわかっています。

人材育成の課題は、効果が見えないこと

多くの企業が取り組みを進めているという調査結果からもわかるとおり、激動の時代ともいわれる現代社会の変化に適応すべく、多くの企業の経営課題に「人材育成」が挙げられるようになっています。

『企業は人なり』という松下幸之助氏の言葉が示すとおり、「人的資源」は最も重要な経営資源のひとつです。
しかし、これらの無形資産は有形資産と比べてその価値を低く見積もられてきた経緯から、かつては日本企業においてその考えが完全に浸透しているとは残念ながら言いがたい状況でした。

それでも近年では、人的資源の活用が企業価値の向上に寄与することが多くの企業にようやく理解され、人材育成の手段としてさまざまな集合研修が実施されています。代表的なコンテンツは、ロジカルシンキングやファシリテーション、プレゼンテーションやコンプライアンス(個人情報保護、情報セキュリティ)などです。
集合研修は外部の法人研修サービス会社に委託しているケースがほとんどですが、大手企業では社内講師を育成することで研修を内製しているケースも見受けられます。
このように、集合研修は人材育成において確立された手法とされてきました。

しかし昨今、学習に関するさまざまな研究の成果を受けて、「集合研修に対する効果は本当にあるのか」という疑問の声も上がっています。

人の育成はほとんど経験から?

米国の人材開発研究機関であるロミンガー社の研究で発見された70:20:10の法則をご存知でしょうか。
経営幹部として活躍する人たちの「これまで役に立ったこと」を調査すると、70%が仕事での経験、20%が上司の言葉、10%が研修や学習であるという結果だったことから、この名前がつきました。
人材育成において研修は重要です。しかし、研修をただ実施するだけでなく、研修で学んだことをいかに実務で活用できるか、その経験までデザインしていかなければ人材の成長にはなかなかつながらないのです。

従来の集合研修は意味がない?エビングハウスの忘却曲線とは

「受講した社員のアンケートでは満足度が高いのでうちでは意味がある」「研修のコンテンツは我々が見ても納得のいくものである」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した、「記憶の忘却」に関する理論です。

・20分後には42%忘れる
・1時間後には56%忘れる
・9時間後には64%忘れる
・1日後には67%忘れる
・2日後には72%忘れる
・6日後には75%忘れる
・31日後には79%忘れる

この理論によれば、充実した内容のコンテンツの研修でも、人はたった1日でその半分以上を忘れてしまうのです。
満足度が高くてもそれはあくまで受講直後の感想であり、長期的に考えるとスキルアップにつながっていない可能性があります。

人材育成の方法をこのまま集合研修に頼り続けることは、主催側は「やったつもり」、受講側は「わかったつもり」という状態になりかねません。
常に変化し続ける社会環境の中で、人材育成の方法もアップデートが不可欠です。

効果のある人材育成とは

研修を効果に結びつけるには「従業員の行動変容」がカギとなります。研修を通じて社員に対し当事者意識を持たせ、行動変容を促すことができて、はじめて「効果がある」とされるのです。

ここでいう当事者意識とは、その研修で学んだことが「自分ごと」であるという社員の気付きです。受講者に当事者意識が生まれ、学んだことを自身の業務上の課題と重ね合わせて課題を解決しようとする主体的な行動を促したのであれば、研修が社員の行動変容につながったといえます。研修で学んだことを現場で生かそうとする行動変容は「研修転移」とも呼ばれます。

例えば、語学学習において、あるフレーズを学んだとします。そのフレーズを実際に使う場面がなければ、学習者は学んだことを活用することなく、やがて忘れてしまいます。しかし、そのフレーズを実際の場面で使用する機会があれば、経験に変わります。つまり、インプットした学習内容(語学)を、アウトプット(発話)して、フィードバック(反応)が得られるという一連の流れが出来上がるのです。これが、「学んだことが役立った」という学習者の成功体験となり、語学を学び、それを生かすモチベーションへとつながっていきます。

企業における集合研修やEラーニングは単なる学習であり、それ自体は業務上の経験とはいえません。実際の業務で活用する場面まで想定しながら、学習コンテンツを設計しない限り、社員の行動変容にはつながらないのです。

決して、集合研修やEラーニングがまったくの無駄というわけではありません。新人研修や昇格者研修など、社員の職務や処遇が変わる際に行う研修はこれまで通り必要であるといえます。
これらは、新たな業務を適切に処理するための、実務に即した内容であるためです。

一方で、例えばロジカルシンキングやファシリテーション、プレゼンテーションやコンプライアンスなどの一斉研修を行って、そこから社員の行動変容・研修移転を促すには困難を伴います。これは、営業担当やIT担当など、まったく異なる環境で異なる業務に取り組んでいる社員全員に、一律の内容を教示する方法では、気づきを与えにくいためです。

つまり、経験を通じて学習者の行動変容を促すためには、ターゲットごとにカスタマイズした学習コンテンツを設計することが必要なのです。

人材育成の方法も多様化の時代 個々の課題に合わせた解決方法が必要

部門や部署によって仕事の環境や内容が多様であることはもちろんですが、性別や年代、国籍の異なるさまざまな人材が同じ組織に集うようになったことから、勤労に対する社員一人ひとりの価値観も多様化しています。そういった意味でも、同じコンテンツの研修を一律に受講させる方法は、すべての社員が持つ課題の解決につながりにくくなっています。

これからの人材育成では、多様な社員の課題に合わせた多様な解決方法が求められるようになっていきます。そのためのポイントを2点ご紹介します。

人材の多様化に合わせ、個々に最適な育成方法を選択する

社員個々の課題に合わせた育成方法として、「育成面談(個別面談)」が注目されています。

これは、査定のために従来から実施されている「評価面談」とは異なるものです。
評価面談は「上司からの評価を部下に伝え、自分への評価を納得してもらう」ことを目的としていますが、育成面談では、評価面談のプロセスに「部下が自身の課題を上司と共有し、解決に向けた行動計画を主体的に立案すること」が加わります。

当事者が立案した行動計画の中に「知識やノウハウを修得する」という内容があれば、これまでのようにスキルアップ研修を受講することで、それらのコンテンツを「自分ごと」として捉えることができ、実務に生かしていくようになるでしょう。このプロセスを部下の育成に組み込むためには、育成面談における上司の関わり方がカギとなります。

対話で社員の納得感を醸成し、自発性を引き出す

集合研修の多くは受講者となる社員の承諾を得ないままスケジューリングされます。そのため、研修が業務の繁忙期と重なったりすると、通常業務の時間を圧迫し、受講者の感じる負担が大きくなります。
しかし、部下が受ける研修について上司がしっかりと理解し、人材育成の施策の目的やメリットをはっきりと伝えることで、社員が研修へ参加する際の負担感は軽減します。

それと合わせて管理者は、育成面談等を通じて部下の話に耳を傾け、ひとりひとりの社員自身から自発的な言葉を引き出すことが重要です。

社員によって業務やプライベートで直面している課題が異なることはもちろん、価値観や勤労観、キャリアに対する方向性や、意欲の程度もそれぞれ違います。そのため管理者には、育成面談に限らず業務中のさまざまな場面で、社員が普段どのようなことに関心を持ち、これからどうなりたいのかを察する技量も必要になってきます。

社員からのアクションを待つのではなく社員へ能動的に働きかけて自発性を促すことが、これからの時代における効果的な人材育成のカギといえるでしょう。

人材育成の課題と組織の課題、一緒に取り組むことの必要性

人材育成を進める際には、社員を育てやすい土壌を作ること、すなわち組織風土も同時に見直していく必要があります。
しかし、突然トップダウンで組織の方向性を変えようとしても、現場は混乱してしまいます。まずは社員全員で足並みをしっかりと揃えて意識を統一することが重要です。そのためのポイントを3つお伝えします。

目指す組織像、人材像を明確にする

企業は営利組織であり、利益を上げるために目指す組織像が掲げられています。
組織が理想とする人材像と、人材育成の方針を明確に定義・共有しておき、会社と社員との間で認識の齟齬が生まれないようにしましょう。
もし人材育成方針が周知されていなければ、対外的に掲げている人材像や育成方針と、実際に現場で行われている育成が乖離していきます。そうなると、人材育成どころか、コストを費やして獲得した貴重な人材が離脱してしまう可能性も生じます。

社員目線で会社のあり方を考える機会を作る

効果的な人材育成のためには、社員一人ひとりが主体性を持って業務に取り組む組織風土づくりが重要です。

先述のとおり、社員が組織の課題や業務上の課題を「自分ごと」として捉えられるようにならない限り、人材育成はやがて限界にぶつかります。限界を超えるためには、“自分はどのような人材になりたいのか”ということと合わせて、“組織に貢献するためには、どのような人材になることが求められているのか”を、それぞれの社員自身が考えられるようにする必要があるのです。

その状態を作るためには、組織としての将来像と社員それぞれの将来像を勘案しつつ、社員の内発的動機づけに向けて人事や上司が働きかけていくことが欠かせません。

では、社員が主体性を持つにはどうしたらよいでしょうか。
ひとつには、組織の課題解決に向けた意思決定の裁量を、管理職だけでなく社員にも持たせるという方法があります。組織づくりに自分が関わっているという当事者意識は、社員が自身の意見を積極的に述べ、進んで実行するといった主体性の促進につながります。

また、社員が自身の希望するポジションへと柔軟に配置転換していくことも、社員が主体性を持てるようにするためのひとつの方法といえるでしょう。最近は、挙手制で任意に部署移動ができる制度を設けている企業も増えつつあります。

挑戦と失敗を受け容れる、寛容な組織風土を作る

先に、企業が直面する課題やテーマに対して必要な人材を育成するためには、集合研修だけでなく経験までをデザインする必要があるとお伝えしました。しかし、学んだことを経験に結びつける過程で、組織風土や、周囲の理解がハードルとなる場合があります。

例えばある社員がロジカルシンキングを学習して、チームの会議でそれを実践しようとしても、上司や同僚がこれまでのやり方を変えたがらず、反発する場合があります。そうなると、その社員が学習したことを実践し、経験を通じて身に付ける機会は失われてしまいます。そうならないようにするためには、研修の内容のみならず人材育成の方針や考え方についても、社員を取り巻く上司や同僚にもしっかりと理解してもらい納得してもらう必要があります。

また、新たな知識やスキルを活かすためには、まずは失敗を恐れずに挑戦し、その経験から学んでいくプロセスが不可欠です。社員の挑戦を促すためには、失敗を受け容れ、失敗から学ぶことを評価する、寛容な風土づくりも重要です。

例えば、企業がイノベーション創出を目指してさまざまな研修を実施しても、受講者が職場に戻れば、上司に行動を細かく管理され、少しのミスで評価を著しく下げられたりするような環境であれば、大胆な変革に向けたボトムアップの提案が生まれることは期待できません。
大企業ほど「新しいことを始められては困る」という安定志向から保守的になりがちですが、そういった風通しの悪さは、失敗を恐れず挑戦しようとする社員の気概を折る要因にもなってしまいます。

社員が主体的に考え、行動できる組織風土のキーワードは「共有すること」と「認めること」です。

これを実現するためのステップとしては、まず、企業の目指す組織像と求める人物像を社員へ伝え、お互いが納得した上でそれぞれの課題解決に向けた行動計画を立てていきます。そのうえで、上司は社員が積極的に業務に関わる姿勢を評価し、その結果にかかわらず褒めるようにします。たとえ挑戦が大きな失敗に終わったとしても、その経験を次へと生かすためのサポートをすることで、失敗によって不安に陥った社員の主体性を維持することができ、上司と部下との間には揺るぎのない信頼が芽生えることでしょう。

上記のサイクルを地道に繰り返していくことで、企業全体が活性化し、社員が自分の課題に限らず組織の課題までも「自分ごと」として捉えられるようになります。
そして、やがて社員一人ひとりが組織にとってかけがえのない資産となり、会社を良い方向へと導いていくようになるはずです。

人材育成は、集合研修から現場に寄り添い始めている

ここからは、昨今の人材育成におけるトレンドについて解説します。
人材育成のトレンドとして、体験や経験学習を目的としたものが中心となってきています。

※内容は、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」流行前の調査を元にしています。

集合研修のデザイン+経験・体験のデザイン

1つ目は、集合研修の後に研修内容を現場で実践するよう、育成方法をデザインするプログラムです。
研修で得た学びに経験や体験を通すことで「研修転移」を促します。

フォーマル+インフォーマル

2つ目は、フォーマルな学習とインフォーマルな学習の相互作用を生み出すことです。
フォーマルな学習とは、人事部主導の集合研修やeラーニング教材で受講するものです。
ここでは基礎的な概念やスキルについて学びます。
そしてこれらを、社員同士が教え合うインフォーマルな学習の機会を設けることでより深く浸透させます。
ツールは社内SNSやYouTube(社内動画共有)などを利用するとよいでしょう。

集中学習+分散学習

集中学習とは、まとまった時間を使って一気に学習を終わらせてしまう方法です。これまでの集合研修はこの集中学習が主体でした。
最近は学習教材のマイクロラーニング化により、例えば動画教材であれば1本5分未満で学習を終えられる、分散型の学習が台頭しています。
コンプライアンス研修や情報セキュリティ研修などは前者、スキルアップ研修は後者と、コンテンツの内容によって使い分けたり、同じコンテンツを両方に割り振って研修転移を促したりといった活用法も考えられます。

キャリア開発+自己選択学習

これは、前述した「育成面談」の内容を踏まえて個々に学習内容を最適化する方法です。
人事担当は必要最低限の研修を設計して全体を推進するという役割を担うことになります。
また、上司が部下の状況をより正確に把握する支援ツールとして「タレントマネジメントシステム」を利用するのも有効です。

効果が出る人材育成の方法をご紹介

最後に、これからの人材育成としてすでに目に見える効果を上げている方法を、一部企業事例を交えながらご紹介します。

プロジェクトベースドラーニング

総合エンジニアリング会社の三機工業株式会社では、1泊2日の研修と発表会から成る「未来記事」研修を実施しています。
これは、「自社がビジネス誌に取り上げられたらどのような内容になるか」を想定してひとつの「未来記事」を作り上げるという、プロジェクト型の研修です。

具体的には、参加者が1日目にメディアの記者へ渡す情報をまとめた「プレスキット」を作成し、2日目はそれをもとに取材を受ける(発表する)という内容で実施されました。
メディアの記者へ渡す情報は自社の新事業に関するもので、今回の研修を実施する背景である「新事業や新商品を生み出す意識をもった人を継続的に育てていく」という企業課題を反映しています。

まず、デザイン思考などの講義を受けてから4つのチームがそれぞれ新事業のアイディアを膨らませ、具体化したものをプレスキットに落とし込むワークを行って初日の夕方までに提出することになっていたのですが、どのチームも間に合わず翌朝に締め切りを延長したそうです。
ここには、参加者の「納得できるところまでしっかり組み立てて提出したかった」という意欲が伺えます。
実際、受講後のアンケートでは「これまで受けた研修のなかで一番面白かった」「このような機会を与えてくれてありがとう」などのコメントがあったそうです。
この「未来記事」研修のように、参加者が和気あいあいと話しながら新事業を自由に企画してアウトプットする研修は珍しく新鮮に感じられたのではないでしょうか。

企業の抱える課題をしっかりと解決し、実践的な内容で研修転移を促したよい事例といえるでしょう。

参考記事:
お客様インタビューvol.9
「新事業を生み出すマインドを育む 三機工業株式会社 「未来記事」研修支援」  

マイクロラーニング

アパレル業界でも最大手の株式会社ユナイテッドアローズが、スマートフォンで受講できるeラーニングを導入しました。
同社の目的は「従業員が学習したくなる」コンテンツの開発でした。
そのため、豊富な学習内容を短時間で無理なく受講し、学習の成果や習慣化の向上を図るため、eラーニングをマイクロラーニング化してスマートフォンで配信したのです。

実施後、従業員が自発的に受講したコンテンツの中でも受講率の高いものは90%超という優れた結果となりました。
店舗スタッフが多く在籍する企業特性に応じて、マイクロラーニングの利点を最大限に活用した事例といえるでしょう。

タレントマネジメントシステムを利用した学習のデザイン

個人がどのようなタレント(才能)を持っているかという情報をデータして収集・蓄積・管理するタレントマネジメントシステムは、人材育成と親和性が高いツールです。
それぞれに不足しているスキルや経験が可視化されるため、それを補完する内容の研修をサジェストすることで効果的な人材育成が可能となります。
LMS365のようなラーニングマネジメントシステムとあわせて活用することで、より柔軟で一人ひとりにフォーカスした学習デザインを実現できます。

ウイズコロナ・アフターコロナの研修のあり方

COVID19(新型コロナウイルス感染症)の流行に伴ってテレワークが普及し、いつでもどこでもオフィスと同じ環境で快適に働くことができる、デジタルワークプレイスも一般的になりました。それにともなって、研修においてもオンライン化の動きが加速しています。

これからは、就業環境の変化に合わせて、学習設計の際もオンラインに最適化した「ラーニング・エクスペリエンス(人材開発の場における学習体験)」を意識して取り組む必要があります。研修で学んだことを実践に結びつけ、経験につなげる重要性についてはこの記事で繰り返しお伝えしてきましたが、研修を成果につなげるには、「学習のプロセスにおいて学習者がどのような体験をするか」も同様に重要です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ラーニング・エクスペリエンスを意識し、学習者の心理や環境を踏まえ、学びの接点の最適化を行うことをラーニング・エクスペリエンス・デザイン(LXD)と呼びます。
具体的には、多様化する就労環境において従業員がストレスなく参加できる体系で、個別のキャリアとタレントに合わせた学習を、より仕事の成果・パフォーマンスの向上につながる方法で提供するというものです。
デジタルワークプレイスは、ラーニング・エクスペリエンス・デザイン(LXD)を行う上でさまざまなメリットをもたらします。ラーニング・エクスペリエンス・デザイン(LXD)を生かしたオンライン研修の進め方については、こちらの記事を参考にしてください。

まとめ

今回の記事では、既存の人材育成方法における課題を挙げながら、これからの時代において企業が発展していくための「個を伸ばす人材育成」について解説しました。

これまでの会社のあり方は、企業が主体となって社員全員を一斉に牽引するものでした。
しかし、社員の抱える課題や仕事への価値観が多様化した現在では、社員一人ひとりに目を向けて、個に合わせた細やかな育成を行うことが重要です。

また、人材育成の方法を変えるためには組織風土の変革も不可欠です。
これは企業だけに限った話ではありませんが、日本は文化的に海外と比較して人を「褒める」という意識が希薄です。頑張っても評価されない、理解してもらえないという無力感は、社員をどんどん「ぶら下がり体質」にさせてしまいます。
逆に社員全員が自由闊達に主体性を持って業務に関わることができ、それが成果に関わらず、挑戦する社員が大きく評価される組織風土においては、社員が意欲的にパフォーマンスを発揮できるようになることでしょう。

人材育成方法の見直しや課題解決に取り組む際に、この記事が参考になれば幸いです。

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