社内イントラとは?導入のメリットと構築のポイントをご紹介

#業務プロセス改善#ICTシステム活用支援#イントラポータル#コミュニケーション#メディア&コンテンツ

14.May.2020

個人のインターネット利用率が80%を超える現在、インターネットという言葉を聞いたことのない人は今やほぼゼロと言っても過言ではありません。
しかし、同じネットワーク用語である「イントラネット」や「社内イントラ」という言葉については、未だ耳慣れない人も多いのではないでしょうか。
IT企業や大企業だけでなく中小企業まで導入している社内イントラ。本記事ではその仕組みと機能、社内イントラの導入によって実現できる企業のメリットや、社内イントラ構築のポイントについてご紹介します。

社内イントラの仕組みと代表的なサービス

社内イントラはしばしばシステム部門の範疇だと思われがちですが、人事や広報の方々にとっても関わりの深い重要なツールです。まずは社内イントラについて解説します。

社内イントラとは

イントラネット(intranet)とは「intra(内部)」と「net(ネットワーク)」という英単語を組み合わせた造語で、「インターネット(internet)」と同じ技術を使用した、組織内での情報通信網を指します。世界中の端末から接続できるインターネットに対し。イントラネットは企業や学校といった組織の限られたユーザーだけが接続可能なネットワークを意味します。したがって「社内イントラ」とは「社内」に限定した通信網ということになります。

イントラの仕組み

先述の通りイントラネットはインターネットの技術を利用したネットワークです。そのためユーザーは、普段インターネットで使用しているブラウザやメールソフトを介してイントラネットに接続することができます。
ドキュメントをアップロードすれば社員間で共有ができますし、HTMLファイルをアップロードすれば社内ポータル(窓)サイトとして社員が閲覧することもできます。そのほかにもさまざまな機能を実装できますが。一から開発することは少なく、業者の「グループウェア」と呼ばれるサービスを導入し自社のシステム上に構築していきます。現在は自社専用のプライベートクラウドを利用することもあるほか、社内のパソコンだけでなく社外でモバイル端末からアクセスすることもできるようになっています。

イントラの昔と今

イントラネットが果たす役割は、社会的ニーズの変遷に伴って昔と今とで大きく変化しています。昔はドキュメントや各種ファイル、データの保管と管理を主な目的として利用されており、社内イントラは言わば「倉庫」としての役割を担っていました。その後、企業からのメッセージを社員に伝達、共有することのできる「コミュニケーションツール」としての役割を持つようになります。具体的にはメッセンジャーや社内掲示板、社内ポータル、社内ブログ、社内Wiki、Web社内報、社内SNS、オンラインストアミーティングなどのツール群です。そして現在の社内イントラはこれらすべての機能を統合した「デジタルワークプレイス」としてさらなる進化を遂げ、新たな潮流となっています。

デジタルワークプレイスとは

デジタルワークプレイスとは、チャットやオンラインミーティング、共有可能なToDoやスケジューラー、ファイル共有などの機能を一ヶ所にまとめた、プラットフォームとしての役割を持つツールです。
日常業務で利用頻度の高いこれらの機能を一つの場所に集約することで、業務効率や生産性の向上を図ることができます。さらに、働き方改革やテレワークの導入など今の時代に求められる、時間や場所に縛られることのない柔軟な働き方を実現しうるツールでもあります。

参考記事:
デジタルワークプレイスで実現できる働き方改革とは?  

代表的なサービス

ドキュメントの保管や管理、情報共有やコミュニケーション機能、またこれらの機能を一つに統合できるサービスを「グループウェア」と呼び、多くのツールが販売されています。以下に代表的なサービスを6つ紹介します。

・Notes(HCL テクノロジーズ社)

IBMの子会社であるLotus社が1989年に開発し、グループウェアという言葉を世に普及させた立役者ともいわれる古参のサービスです。5000人規模以上の大企業を中心に、ひと昔は大手都市銀行では導入率が100%ともいわれていました。。ドキュメント管理、社内掲示板、データベース、スケジューラー・メールなどの機能を備えています。

参考記事:
NotesからShare Point Onlineへの移行が失敗する3つの要因と、成功のための処方箋

・ArielAirOne for COMPANY(ワークスアプリケーションズ社)

Notesの開発に従事していた技術者が独立し、大規模組織に向けた新たな情報共有システムとして開発・リリースされたサービスです。Notesの主要機能に加えてワークフローシステム(申請・承認・決済・保管の電子化)までもオールインワンで導入できる点が強みです。

・サイボウズ ガルーン(サイボウズ社)

日本国内の中堅企業から大企業においてシェア率1位を誇るグループウェアであり、国産のため日本人になじみやすい操作性が特徴です。これまで挙げた主要機能はすべて網羅しています。

・intra-mart(NTTデータ・イントラマート社)

intra-martの強みは、既存のワークフローシステムに加えて納品プロセスや受注生産プロセスといった現場での業務管理機能まで網羅している点です。またサイボウズ ガルーンと同様、日本の組織に最適化されたグループウェアであり、海外と比べて稟議から決済までの流れが複雑な本国のワークフローに対応できるほか、組織改編や人事異動などの企業の変化に応じてフローの変更が簡単に反映できる点も大きな特徴です。

・Office 365(現 Microsoft 365)(マイクロソフト社)

これまで「Office 365」という名称でしたが、2020年4月22日に「Microsoft 365」へと名称が変わりました。Officeといえば業務において欠かせないソフトウェアですが、クラウドサービスを通じてこれらのソフトをフレキシブルに利用できるほか、ライセンスを一元管理できるようになっています。端末もパソコンのみに留まらず、マルチデバイスでの利用も可能です。またビデオチャットサービス「Skype」やポータルサイト構築・ファイル共有サービス「SharePoint」なども統合され、デジタルワークプレイスとしての強みも持っています。

参考記事:
「Share Point Online」「Yammer」などMicrosoft 365(旧 Office365)から始める社内コミュニケーション活性化

・G Suite(Google社)

G suiteは企業向けのグループウェアであり、デジタルワークプレイスとしての役割を持っています。ほとんどの機能がデバイスへのインストールを不要としており、クラウドサービスを介してオンラインで利用可能な点が特徴です。GmailやGoogleドライブ、Google Meet(旧Google ハングアウト)、Google カレンダーやGoogle ドキュメントなどのツールを企業用に拡張して一ヶ所に集約し、業務効率や生産性の大幅な向上を図ることができます。全世界で500万社を超える企業が導入しており、小規模から大規模まで企業規模を問わず利用可能である点も大きなメリットです。

社内イントラのメリット

「情報を保管・管理する倉庫」から「コミュニケーションプラットフォーム」、そして今では「デジタルワークプレイス」へと進化を遂げた社内イントラを導入するメリットについて具体的に解説します。

社員の相互コミュニケーションを活性化させる

双方向性のコミュニケーション機能やソーシャル機能によって、タテ・ヨコ関係なく社員全体のコミュニケーション活性化を促します。コミュニケーション機能として一般化しているのは、ブログや掲示板、ポータルサイト、チャットなどでしょう。昨今のトレンドは後者のソーシャル機能であり、デジタルワークプレイスには従業員のプロフィール機能や業務履歴の共有機能、従業員がコンテンツの発信源となる機能などが盛り込まれています。FacebookやTwitterの社内版と想像していただければわかりやすいでしょう。

参考記事:
社内コミュニケーションに役立つツールをご紹介  

組織のビジョンやミッションを浸透させる

コミュニケーション機能やソーシャル機能によって組織と従業員との関係性が深まり、従業員のエンゲージメントが高まります。このような状態においては組織のビジョンやミッションを従業員が自分ごととして受け入れやすくなっています。なお、組織発信のコンテンツに関してはどういった主旨のメッセージを発信し、どう共感を得てどう共鳴・共振させるかというコミュニケーションデザインやストーリーを入念に計画し、草案を作成しておく必要があります。

参考記事、事例:
インナーブランディングとは?インナーブランディングの定義、成功事例をご紹介  

業務効率や生産性の向上

デジタルワークプレイスは、日常業務に不可欠なツールを一ヶ所に集約しさまざまなデバイスで利用できるほか、時間や場所に依存しない革新的な働き方をもたらしました。いつでもどこでもフレキシブルに働くことができ、必要に応じてアクセスする場所が特定の一ヶ所だけで完結し、複数の端末をまたいで一瞬で共有できるというネットワークを駆使した新たな業務環境は、必然的に業務効率や生産性の向上へとつながります。

参考記事:
在宅勤務のメリットとは?導入時の注意点を解説  

部署を超えたコミュニケーションの場となる

従来の掲示板に加えて社内ポータルにソーシャルな機能を持たせて交流を図る施策や、バーチャルなチームをネットワーク上に作りオンラインとオフラインの双方でプロジェクトを進めていく施策の実施によって、組織を横断したメンバー同士で部署の垣根を超えた相互コミュニケーションが生まれる場となります。現在のグループウェアがこうしたソーシャルな機能を有するまでに発展したことから実現したメリットといえるでしょう。

参考記事:
「プロジェクトコミュニケーション」で人と組織を元気にしたい  

社内イントラ構築のポイント

社内イントラの構築と聞くとシステム担当者だけが把握しておけばいい情報のように思われがちですが、これは大きな誤りです。社内イントラがコンテンツの発信やコミュニケーションを行うプラットフォームになることや、業務効率化、生産性の向上に寄与するということを踏まえると、人事や広報部門、さらには働き方改革の推進や全社的なプロジェクトの企画を立案する部門の担当者もポイントを理解しておく必要があります。また、これから普及の予測されるデジタルワークプレイスの領域においては、業務フローや業務上のコミュニケーションの形態まで見直す必要があるため、トップダウンで導入するのではなく、現場への理解と巻き込みを行うことも重要なポイントです。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)今こそ“黄金の三位一体”で進めるチャンス  

システム調査・分析

社内イントラに限らず新たな社内制度を導入する際の必須事項でもありますが、社内イントラ導入の際は「目的・ゴール」をあらかじめ明確にしておくことが重要です。目的が曖昧になると誰にとっても不要なツールと化し、次第に形骸化してコストだけが延々と残り続けることになります。
また、システム導入はあくまで手段であり、それ自体が目的には決してなり得ません。自社の課題を洗い出し、その中で社内イントラの導入によって解決できるものがあれば、どういった形でそれを実現するのかという導入計画と、導入後の変革プロセスを入念に立案する必要があります。
調査は部門ごとに行います。システム部門へは、社員から受ける問い合わせの内容についてヒアリングしておくとともに、システム部門を経由せず社員が自身でアクセスしてほしい情報や、アクセスしたいと社員から頻繁に要望が届く情報を把握しておくと、社内イントラ上に保管する情報や格納場所の選定がスムースになります。
また、社内コミュニケーション企画を行うコーポレート部門や担当部門へのヒアリングも必要です。社内コミュニケーションにおける課題は現場と本社との間で乖離している場合が非常に多く、各部門の異なる課題感をきちんと捉えておかないと、どこかでズレが生じることになるでしょう。
そして最後は現場へのヒアリングです。社内イントラを中心に情報管理やデジタルワークスプレイスの浸透を実現したいのであれば、それらをもっとも多用するユーザー、すなわち現場スタッフのニーズを把握しておかなければなりません。現場の声が反映されていないシステムは、必ず使われなくなります。導入にあたってはこういった調査や分析が重要です。

参考記事:
これからのIT部門は何をするのか?

チェンジシナリオの策定

イントラネットの機能や役割が変化している中で、使う側のワークスタイルも変化する必要があります。「Office365(現 Microsoft 365)」などは、クラウド製品であり、個別の企業の事情にあわせて機能を開発する前提のツールではありません。目的やゴールに向けて、システムを変えることはもちろんですが、業務やワークスタイルなどの組織も並行して変えていく必要があります。組織をかえることへの抵抗処理などの問題や課題をシステム変更と併せて、シナリオを作成することは、最も重要な内容になります。コーポレート部門を中心に事業部門などからメンバーを選出しプロジェクトチームを取り組むことをお勧めします。

参考記事:
業務改善のためのコンサルティングとは?  

要件定義

事業部門や人事・広報部門などの社内コミュニケーション担当部門、システム担当者との認識統一が重要となる部分です。実装したい機能や実現したいコミュケーション、そしてワークスタイルなどを共有した上で、自社システムの特性や部門連携の観点からどのような運用が現実的か、どういった機能であれば導入が可能か、どういった形で導入することになるかということを事前にすり合わせておく必要があります。

ツールを選定・構築する

要件が固まったのちにグループウェアを選定し、社内イントラの構築フェーズに移行します。業者との打ち合わせには、プロジェクトチームや社内コミュニケーション担当部門とシステム部門が一緒に、出席することが望ましいでしょう。

運用体制の構築、運用ポリシーの策定

当たり前のことですが、せっかく莫大なコストを投入して社内イントラを構築しても、それがどういった目的で導入に至り、それによって何を実現したいと考え、社員にとってどのように活用されるべきかまでをきちんと共有しておかなければ、現場に無用な混乱を招くことになります。
また、運用側においても人員の入れ替わりなどで当初の目的を見失わないよう、長期的な運用ポリシーを明確に定めておくことが重要です。運用には各所のリソースを割くことになるため、運用体制も決めておいたほうがよいでしょう。特にクラウド型(Microsoft 365など)の基盤であれば、導入の告知だけでなく現場への活用支援も含めて実施しなければ、運用の体制やポリシーを策定してもまったく機能しません。

チェンジマネジメント

多くのシステム導入は、システム導入を導入することがいつのまにか、目的に変わって、手段が目的化しているのではないでしょうか? クラウドが不可逆的になった現在では、業務に合わせてシステムを開発する時代が終わり、業務をシステムに合わせる時代に変わりました。つまり、システム導入はほぼ通過点。このチェンジマネジメントが本丸で、業務と組織を変える活動になります。

参考記事:
チェンジマネジメントとは?組織の変革を成功に導くメソッド  

まとめ

社内イントラは今や単なるドキュメント管理に留まらず、デジタルワークプレイスという新たな働き方を実現するプラットフォームの役割を持つツールとなりました。しかし、「なぜ自社に社内イントラが必要なのか」という当初の目的を見失うと、せっかく社内イントラを導入してもまったく機能しない可能性があります。また、コンテンツ担当部門だけで動くとシステムの構築や運用にトラブルが起きたり、逆にシステム担当部門だけで動くと現場のニーズに合った機能やコンテンツにならなかったりするという問題が生じます。導入に際しては部門間の密な連携と徹底した計画のもとで進めていくことが重要です。

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